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» 2009年11月24日 14時54分 公開

IBMのクラウド責任者、Blue Cloud戦略やCisco連合を語る (2/4)

[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 クレメンティ氏のいう“IBMの統合”とは、どういう意味なのだろうか。

 「データ分析を例に取ってみよう」とクレメンティ氏は語る。「例えば、セルフサービス方式によって、社内のすべての従業員が100のデータマートを自由に利用できるようにしたいとする。従業員が質問を投げ掛けると、答えが返ってくる、つまり何らかの形でデータを受け取れるようにするのだ。このモデルを実現するためには、システムの仮想化、クエリの標準化、管理全体の自動化といった作業がバックグラウンドで必要になる。そうしなければ、コスト的に割に合わず、こういったモデルを実現できない」

 クレメンティ氏によると、統合とは、ソフトウェア、ハードウェア機能、プロセスの理解という要素を結合し、それを成果として提供することだという。

 「この条件を、多くの競合企業が提供しているものと比べてもらいたい」とクレメンティ氏は話す。「彼らが“仮想化がすべてだ”と言ったとしても、それは真実ではない。仮想化だけで実現できることではないからだ。仮想化ソフトウェアしか持っていない企業であれば、自分たちに注目を集めるために“仮想化がすべてだ”と言うだろう」

 「物理的に複雑なものを提供している企業が、その複雑さを仮想化したところで、仮想化された混乱状態がもたらされるだけだ。仮想化は必要だが、それに加えて標準化と自動化が必要であり、さらに全体を連係する必要があるのだ」(同氏)

 クレメンティ氏は、一般の人々も容易に理解できる例を挙げた。

 「ATMを考えてもらいたい。キャッシュカードで現金を引き出すATMだ」とクレメンティ氏は語る。「人々はATMの背後で何が起きているか知っているだろうか。何も知らない。分かっているのは、お金が出てくるということだけだ」

 「これを昔の方式と比較してもらいたい。かつては銀行の出納係がいた。人々は銀行に行き、出納係にお金を下ろしたい言えばよかった。これに対して、出納係は言われるがままにお金を渡していたわけではない。彼はセキュリティシステムの役割も果たしていた。顧客のことを知っていたからだ。記帳も行っていたので、記録係の役割も果たしていた。つまり出納係は現金を出し入れするだけでなく、サプライチェーン全体の業務を遂行していたということだ」

 「銀行が出納係を機械に置き換えたとき、セキュリティ、認証、現金引き出し、記帳の作業手順をすべて標準化しなければならかなった。つまりサプライチェーン全体が標準化されたのだ。さらに、Chase銀行のキャッシュカードをWells Fargo銀行でも使えるようにするために、異なる銀行間でメッセージングを標準化しなければならなかった。そうしなければ、ほかの銀行からお金を引き出すことができないからだ」

 「そういうわけで各銀行のトランザクションプラットフォームが標準化され、このプラットフォームは毎日、何百万回も利用されている」

 「これは、ヘンリー・フォードが製造プロセスを作業台からコンベヤーベルトに移したのと何か違うだろうか」とクレメンティ氏は反語的に問い掛ける。「つまり、ITで支えられた業務プロセスに生産技術を適用したのと同じだ。これは非常に重要だ。このような標準化と自動化こそが、新しい経済性を生み出すのだ」(同氏)

 クラウドコンピューティングは経済性に優れており、「処理すべき情報量がけた違いに多い“Smarter Planet”(より賢い地球)を目指したコンピューティングが、クラウドを利用することによって可能になる理由もそこにある」とクレメンティ氏は話す。

 クレメンティ氏によると、現在、クラウドが提供する機能をすべて実現しようと思っても、コスト上の制約があるので難しいという。「われわれはこの問題の解決に意欲を燃やしている」と同氏は話す。

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