Genesys統合による効果は? Alcatel-Lucent エンタープライズ事業のトップ

仏Alcatel-Lucentのエンタープライズ事業を統括するトム・バーンズ氏に、ビジネスの現状などを聞いた。

» 2011年09月07日 21時30分 公開
[伏見学,ITmedia]

 2010年初頭に仏Alcatel-Lucent エンタープライズ事業の1部門として再スタートを切ったコンタクトセンターベンダのGenesys。事業統合によるメリットや今後の方向性について、Alcatel-Lucentでエンタープライズ事業のプレジデントを務めるトム・バーンズ氏に聞いた。


2つのシナジー効果

ITmedia 昨年、GenesysはAlcatel-Lucentのエンタープライズ事業における1部門となりました。既にそのシナジー効果は生まれているのでしょうか。

Alcatel-Lucentでエンタープライズ事業のプレジデントを務めるトム・バーンズ氏 Alcatel-Lucentでエンタープライズ事業のプレジデントを務めるトム・バーンズ氏

バーンズ 事業統合によって2つの側面で効果が出ています。1つはテクノロジーに関してです。GenesysとAlcatel-Lucentで開発リソースを共有することで、SIP(Session Initiation Protocol)を利用したコンタクトセンターのコア技術をビジネステレフォニーの分野に発展させるとともに、従来、Alcatel-Lucentが持っていたユニファイドコミュニケーション(UC)の技術をコンタクトセンターシステムにも応用できるようになりました。

 もう1つはGo-To-Market(新規市場開拓)戦略に関してです。さまざまな地域でGenesysとAlcatel-Lucent両方の製品を売る力のあるパートナーがいるため、彼らにアップセルやクロスセルしてもらうように働きかけています。直販についても、製品ラインナップが広がったので、競合他社に対しても競争力を持つことになります。

ITmedia APAC(アジア太平洋地域)というマーケットをどのようにとらえていますか。

バーンズ APACは、当社が強みとする技術と注力すべき事業戦略がマッチしている市場だと考えています。APACは特にGenesys(コンタクトセンター部門)とネットワーク部門が好調で、2011年度も高い売り上げ成長を記録しています。ソーシャルネットワークやモバイルデバイスなどに注目が集まっており、大きなチャンスに溢れています。具体的には、中国、東南アジア、日本、韓国でのビジネスが伸びています。

 今後のアプローチとしては、さまざまな国で新しいチャネルを開拓し、直販やマーケティング活動などによってブランド力を上げていきます。この部分に積極的に投資していきます。

ソーシャルメディアの情報活用

ITmedia 注力事業の1つにソーシャルメディアを掲げています。具体的な取り組みを教えてください。

バーンズ 現在では、ソーシャルメディアをどのように活用するかについて検討したり、頭を悩ませたりしているコンタクトセンターが増えています。既にGenesysでは、昨年リリースしたコンタクトセンター向け統合プラットフォーム「Genesys8(G8)」で、主要なソーシャルメディアサービスとの連携機能を提供し、TwitterやFacebookなどでなされている会話を顧客情報としてコンタクトセンターに取り込めるようにしています。

 さらに、単に情報を取り込むだけでなく、それを分析、整理して、顧客がどのような行動をとるかという判断材料に役立つようなビジネスインテリジェンス製品も提供しています。

急速に技術が変化している時期であり、顧客のニーズも刻一刻と変わります。そうした状況を常に把握して、市場に合う製品やサービスを開発していく必要があります。

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