トータルなICTアウトソーシングの提供により、クラウドによる経営革新をサポートIT部門650人の調査にみるクラウド新潮流 「失敗しないクラウド」とは

ITRの舘野氏が指摘したように、アウトソーシングニーズが高まる一方で、いくつかの課題もあるクラウドの活用。企業の抱える不安やニーズに対して、クラウド事業者はどのように対応しようとしているのだろうか。ここでは、クラウドサービスに加え、ネットワーク、セキュリティなど、トータルなICTアウトソーシング事業をグローバル展開するNTTコミュニケーションズの取り組みを通じて、企業競争力を高めるクラウドとICTアウトソーシングのこれからの姿を概観したい。

» 2012年07月17日 10時00分 公開
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ポイント1 企業の持つ懸念/不安を拭い去ることへ“本気”で取り組んでいるかどうか

 セキュリティや可用性、信頼性、既存システムからの移行など、企業の持つクラウドへの懸念/不安をいかに拭い去るか――。これは舘野氏の指摘にあったように、全てのクラウド事業者に課せられた必須の要件だと言えるだろう。これに対し、NTTコミュニケーションズでは企業がクラウドを本格的に活用するために、クラウドへの移行やトータルセキュリティの確保に取り組んできたという。

オンプレミスからクラウドへの移行をトータルにサポート

 その1つが既存システムからの移行に対する懸念/不安を拭い去る「クラウドマイグレーションサービス」だ。

 オンプレミス環境で数十、数百のアプリケーションを動かしている企業は、費用対効果などを分析した上で、具体的なクラウド化のプランを描く必要がある。つまり、クラウドへ移行するには「クラウド上でアプリケーションが動作するのか」というシステム的な確認だけでなく、「そもそもクラウド化することにメリットがあるのか」というビジネス的な観点も必要となる。

 こうした点を踏まえ、NTTコミュニケーションズは移行プランの策定を含めたコンサルティングから、実際の移行をサポートする「クラウドマイグレーションサービス」、さらには運用保守までワンストップで提供している(図1)。これらを支えるのは、豊富な実績とノウハウだ。具体的には、国内の官公庁や大企業に加え、海外でもシステム構築・運用を行ってきたノウハウを標準化し、サービス化しているという。

 さらにアプリケーションだけ、サーバーだけではなく、ネットワークを含めたクラウドサービス全体について、1社で責任を持って対応できる点についても、ユーザー企業からの評価が高い要因だと言えるだろう。

図1:クラウドへの移行をワンストップで提供。調査やROI評価といったシステムコンサルティングフェーズから移行、さらにはその後の運用保守までグローバルにワンストップでサポートできる体制を整えている

クラウド/オンプレミスシステム、双方のセキュリティリスクに対応

 ITRの調査で「クラウドに対する懸念/不安」の最上位に挙げられたセキュリティについても、積極的な対応を行っている。例えば、13カ国に400人のセキュリティ専門家を配置し、24時間365日体制での対応を実現していることもその一つ。またクラウド上のセキュリティ対応に加え、オンプレミス/LANのセキュリティリスクに対しても、遠隔でモニタリング/防御/対処できる「Bizマネージドセキュリティサービス」を提供。ユーザー企業のICTシステムをトータルに守るサービスラインアップを整えている。

 この分野で特に注目したいのが、マネージドセキュリティサービスで多くのグローバル企業をサポートするIntegralis(本社:ドイツ)や、北欧地域において金融機関や官公庁などを顧客にするSecode(本社:スウェーデン)など、海外セキュリティ専門会社を買収している点だ。これにより、グローバルレベルで高度なセキュリティサービスの提供を可能にしているのである。国内外のネットワークやデータセンター、インターネットなどを運用している通信事業者ならではのノウハウを生かし、DDoS(分散型サービス妨害)攻撃などの脅威に対して、いち早く異常を発見し対策を講じているという。

 さらにNTT研究所などセキュリティ研究機関などとも連携し、巧妙化する標的型攻撃への対策も検討している。

サービスの信頼性や継続性の懸念を拭い去る堅牢なデータセンターを運営

 サービスの信頼性や継続性に関する懸念を拭い去る上で、重要な役割を担うのがデータセンターである。同社は世界に129のデータセンターを展開し、2013年3月には141(うち、海外は50)に増える予定だ。合計の床面積は約14.4万平米で、世界屈指の規模を誇る。これらのデータセンターを、世界共通の基準、品質で運営。これにより、グローバルでの安定したクラウドサービスを支えている。

 世界中のデータセンターを結んでいるのが、同社の持つ低遅延・大容量の海底ケーブルであり、ネットワークである。こうした物理ケーブルを張り巡らすことにより、ユーザー企業は自社の海外展開拠点に応じ、最適なデータセンターを選択することが可能になる。また、地震などの有事の際には、別ルートで迂回することで自社の業務を継続することも可能だ。

ポイント2 クラウドの制約を取り払う努力をしているか

 クラウドの制約を超えて、どれだけ柔軟なサービスで企業ニーズに応えていくか。これはクラウド事業者にとっては難しいテーマだと言える。というのも、クラウドにも技術的な観点で“できること” “できないこと”がある上、企業の置かれた状況により、クラウド活用のフェーズや形態が違うからだ。

 そこでNTTコミュニケーションズでは、従来のクラウドの制約を拭い去る最新技術の活用や、より柔軟なクラウドサービスの提供、さらにはサービスラインアップの強化により、企業ニーズに対応しようとしている。

ネットワークも仮想化した「グローバルクラウドサービス」を拡充

 こうした対応の一例が、ネットワーク仮想化を実現する技術「OpenFlow」への参画である。同社では標準化団体に設立当初からたずさわり、最新技術をサービスに適用する取り組みを実践。新しいクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」を実現させている。同サービスは、ネットワーク仮想化により、ネットワーク・機器の設定を自動化し、オンデマンドでの設定変更を実現するもの。物理ケーブルの設定を始めとした煩雑なオペレーションが不要となるため、価格競争力の高いサービスとなっている。また国を越えたデータセンター間でのデータ移行や、グローバルレベルでのバックアップを行うことも可能だ。

 この他にも、Amazon Web Servicesと互換性のあるAPIを具備するパブリッククラウドサービスや「Windows Azure」など提携パートナーのクラウドとの連携、あるいはオンプレミスとの連携によるハイブリッドクラウドも提供。さまざまな企業ユースを想定し、必要なクラウドサービスを整備しているという。

クラウドを低コスト・セキュアに使いこなすための「グローバルネットワークサービス」

 自在に活用できるクラウド環境を提供する――同社のこうした考え方は、ネットワークサービスにも投影されている。その代表例と言えるのが、世界159カ国をカバーし、アクセス回線の二重化を標準で備えるなど、高信頼性・高品質のVPNサービスとして高い評価を得ている「Arcstar Universal One」だ。その契約ユーザーであれば、同社のクラウドサービスと接続する際、個別に接続回線を用意する必要はない。しかも追加接続料金は不要。クラウドとネットワークが直結しているので、信頼性も確保される(図2)。つまり、ネットワークをクラウド利用するときのコストや運用負担、さらには信頼性に関するクラウドの制約を取り払うサービスと言えるだろう。

図2:クラウドシームレスなネットワークサービス。高信頼性・高品質のVPNサービス「Arcstar Universal One」とクラウドサービスが直結。通信事業者ならではのクラウドサービスを実現している

「見える化」「一元コントロール」を実現する統合カスタマーポータル

 さらに、こうした多様なサービスを管理するための仕組みも実現している。それがクラウドサービスやネットワークなどのサービス利用状況を“見える化”し、リアルタイムに適切な設定に変更できる「統合カスタマーポータル」だ(図3)。これは企業システム全体の運用業務を効率化したいという企業ニーズに応えるもの。例えば、障害発生時には、ICTシステムのどこで障害が発生しているのか“一元コントロール”することで、スムーズな対応を図ることができる。

 さらにクラウドのリソース変更やネットワーク帯域の増減などについて設定変更を行う場合でも、ファイアウォールやネットワーク機器などに関する面倒な作業は一切不要。1つのポータルからオンデマンドで設定するだけで済むという。

図3:統合カスタマーポータル。クラウドサービスだけでなく、ネットワークサービスなどにも対応。状況を見える化し、オンデマンドで設定変更を行う。ユーザーの利便性を追求した仕組みだ

ポイント3 ビジネスをドライブする仕掛けとしてクラウドを捉えているか

 いま、国内外ICTの再構築を検討している企業は少なくない。その背景にある問題意識は、「変化への迅速な対応」「コスト削減」「ガバナンス強化」といったものが挙げられる。クラウドの活用により、こうしたビジネス効果をいかに最大化するか。これがクラウド事業者に期待される最も重要なテーマといっても過言ではない。

グローバルトータルICTアウトソーシングで企業をサポート

 この問いに対して、NTTコミュニケーションズはトータルICTアウトソーシングをグローバルで提供することで、その期待に応えようとしている。つまり、企業の拠点や関係会社が国や地域をまたいだとしても、クラウドやネットワーク、セキュリティ、アプリケーションなど複数のレイヤーをシームレスにつなぐことで、企業のビジネスをサポートし、競争力向上に貢献していこうとしているのだ。

 既にこうした取り組みにより、ビジネス効果を得た企業も少なくないという。例えば、世界中でビジネスを展開するあるメーカーもその一つ。同社では拠点や事業部ごとにバラバラのシステムが構築され、通信回線も数十という通信事業者から調達していた。こうした複雑な状況を変革するため、同社はNTTコミュニケーションズのグローバルトータルICTアウトソーシングサービスを選択。分散していたシステムを統合し、システム設置拠点数やサーバー台数などを大幅に削減。これによりICTコストが3割以上削減される見込みだ。

 この事例において注目したいのは、サーバーやネットワークだけでなく、セキュリティや音声、汎用アプリケーションまでを統合してその効果を高めている点だ。例えば、音声通話用のPBX。以前は各拠点に置いていたPBXをクラウド型に切り替えることで現地でのメンテナンスが不要になり、ビジネス環境の変化に合わせたシステムの拡充もクラウド側で対応可能になった。これにより海外拠点ではサーバーに関わる業務をはじめ、ICT全般にかかわる業務の大幅な負荷削減を実現。もちろん、本社からのガバナンスの強化にもつながっている。こうしたICT改革をテコに、ビジネスのスピードを加速させているという。


 以上、3つのポイントから、クラウド事業者としてのNTTコミュニケーションズの対応例を見てきた。もちろん、3つのポイントが全てではないが、今後クラウド事業者を選択していく上で、重要な要素になることは間違いないだろう。

調査結果から見えたクラウドへの“本音”
〜クラウド事業者の選択に不可欠な3つのポイントとは〜

クラウドの普及が加速しているが、セキュリティやコストの懸念を拭いきれない企業も少なくない。どのような観点からクラウド事業者を選ぶべきなのだろうか。最新のクラウド/ICTアウトソーシング動向調査を実施したITRのシニア・アナリスト舘野真人氏にポイントを聞く。


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提供:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年8月16日