Cisco製品にデフォルトのSSH鍵、特権アクセスされる恐れ

「Ciscoは全てのシステムに同じSSH鍵を使うという過ちを犯し、その秘密鍵を顧客のシステム上に残しておいた」とSANSは解説している。

» 2014年07月03日 07時58分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 米Cisco Systemsは7月2日(現地時間)、「Unified Communications Domain Manager」(Unified CDM)の脆弱性に関する情報を公開した。システムに特権アクセスできるデフォルトのSSH鍵が存在する脆弱性など、3件の脆弱性について解説している。

 同社のセキュリティ情報によると、Unified CDMにはサポート担当者へのアクセス用にデフォルトのSSH鍵が存在し、この秘密鍵がシステム上にセキュアでない方法で保存されていることが分かった。攻撃者がこの鍵を入手でき、サポートアカウント経由でシステムにroot権限でアクセスできてしまう状態だという。

 この脆弱性について米セキュリティ機関のSANS Internet Storm Centerは、「Ciscoは顧客の機器にアクセスしてサポートを提供するために、全てのシステムに同じSSH鍵を使うという過ちを犯した。その鍵をCiscoが安全に保管していればそれほど致命的ではなかったかもしれないが、同社は秘密鍵を顧客のシステム上に残しておいた。つまり、そうしたシステムを1つ持っていれば、全てにアクセスできる鍵を入手したことになる」と解説している。

 他にも権限昇格の脆弱性、BVSMWebポータルのデータ不正操作の脆弱性が存在する。悪用された場合、攻撃者に任意のコマンドを実行されたり、BVSMWebのユーザー情報を改ざんされたりする恐れがある。

 SSH鍵の問題など2件については、脆弱性を修正するためのソフトウェアアップデートが公開された。BVSMWebの脆弱性については対応が完了次第、ソフトウェアアップデートを公開するとしている。

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