米salesforce.comがIoTデータプラットフォーム「Salesforce IoT Cloud」を発表した。顧客情報とIoTデバイスやセンサーデータを連携し、営業やマーケティングに役立てる。
米salesforce.comは、IoTデバイスから得たデータを管理・分析するツール「Salesforce IoT Cloud」を年次イベント「Dreamforce 2015」(9月15〜18日、米サンフランシスコ)で発表した。一般提供開始は2016年上半期を予定する。
Salesforce上のビジネスや顧客に関するデータに加え、IoTデバイスやセンサーからのデータ、メールやWebサイト、SNSでのやりとりそのものも対象にするデータプラットフォーム。同社が新たに開発した処理エンジン「Thunder」を導入し、数十億のイベントやデジタルコンテンツをリアルタイムに連携する。
ユーザーはプログラミングの知識がなくとも、一定の条件をトリガーに設定し、指定したアクションを引き出すことが可能という。例えば、天気予報や温度・湿度に応じたユーザーへの注意喚起、車載センサーのデータを元にした最適なカーサービスの提供――など業種・業態を問わずデータを組み合わせてビジネスにつなげられるという。
同社が提供する既存の「Sales Cloud」「Marketing Cloud」「Service Cloud」などと組み合わせた利用を想定し、データサイエンティストやエンジニアではなく、一般スタッフがさまざまなデータを活用できることを目指す。基調講演では、Microsoft Azure、Office 365との連携も紹介した。
同社は今年で設立16年目。業種を問わず活用できる汎用性の高いクラウドCRMツールで成長を続けており、2016年には、Microsoft、Oracle、SAPに次ぐ世界第4位のソフトウェア企業になる見込みという。マーク・ベニオフCEOは「IoT Cloud」を営業・サービス・マーケティングの各分野で役立つ新たな柱に育てたいとし、「大量のデータをリアルタイムに分析することで、顧客との関係はよりパーソナライズされていくだろう。IoT(Internet of Things)はIoC(Internet of Customers)に変化していく」と述べた。
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