2020年の国内IT市場は厳しい見通し、五輪よりWindows 7が影響

モバイルやクラウドなど新規領域への投資も鈍い見込みだ。

» 2016年05月09日 12時55分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは5月9日、2020年までの国内IT市場予測を発表した。2017年〜2019年はプラス成長を見込むが、東京五輪が開催される2020年は大幅なマイナス成長に転じるとしている。

 2016年の市場規模の見通しは前年比0.4%減の14兆5683億円。ITサービスやパッケージソフトウェアではプラス成長が見込まれるが、企業向けネットワーク製品を除く全ハードウェア製品がマイナス成長となるため、全体では前年比微減になるとみる。

2015年〜2020年の国内IT市場 前年比成長率予測(2015年は実績値、2016年以降は予測。出典:IDC Japan)

 2015〜2020年の年間平均成長率は0.8%で、2020年の市場規模は2019年比1.0%減の15兆2413億円を予測する。2020年の東京五輪開催に伴う景気の上向きが期待されるが、2020年1月14日に企業などで広く採用されているWindows 7の延長サポートが終了し、2019年に更新需要が大幅に高まるとみられる。2020年の市場はその反動で大幅なマイナスに転じるという。

Windowsのサポート期限(出典:日本マイクロソフト)

 IDC Japanは、「経済が上向きでも現状のIT戦略の延長上ではPC市場のマイナス成長を上回る第3のプラットフォームに基づく戦略的なIT投資増が期待できない」と指摘する。

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