メディア処理に使われるMediaserverに関して今回も深刻な脆弱性が多数修正されたほか、Qualcommなどのハードウェア関連コンポーネントに起因するデバイス固有の脆弱性にも対処した。
米Googleは7月6日、Androidの月例セキュリティ情報を公開した。Nexus向けにはOTA(無線経由)でセキュリティアップデートを配信し、パートナー各社には6月6日までに通知。2016年7月5日以降のセキュリティパッチレベルで脆弱性が修正される。
今回のセキュリティ情報は、AndroidのMediaserverやOpenSSLといったコンポーネントの脆弱性を中心とする「セキュリティパッチレベル2016-07-01」と、QualcommやNVIDIAなどのハードウェア関連コンポーネントに起因するデバイス固有の脆弱性を中心とする「セキュリティパッチレベル2016-07-05」に分割して公開された。合計で100件を超す膨大な量の脆弱性に対処している。
「2016-07-01」のパッチでは、Androidでのメディア処理に使われるMediaserverに関して、今回も危険度が最も高い「Critical」レベルの脆弱性7件が修正された。悪用されると、電子メールやWebブラウザ、MMS経由でメディアファイルを処理させる手口を使って、リモートの攻撃者が端末上でコードを実行できてしまう恐れがある。
また、OpenSSLとBoringSSLに存在する1件の脆弱性も、リモートでコードを実行される恐れがあることから「Critical」に分類された。他にもBluetoothやlibpngなどに存在する危険度の高い脆弱性多数に対処している。
一方、「2016-07-05」のパッチでは、QualcommのGPUドライバ、MediaTek Wi-Fiドライバ、Qualcommパフォーマンスコンポーネント、NVIDIAビデオドライバ、MediaTekドライバ、カーネルファイルシステム、USBドライバに存在する脆弱性が、それぞれ「Critical」に分類されている。いずれも悪用されると権限を昇格される恐れがある。
Googleによると、今回対処した脆弱性が悪用されたり、ユーザーが被害に遭ったりしたケースは現時点では報告されていないという。
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