登場から5年、Surfaceはどこに向かうのかMicrosoft Focus(1/2 ページ)

2012年に第1号機が発売されたSurfaceは今年(2017年)、発売から5年目を迎える。この5年間でSurfaceはどんな成果を生み、市場にどんなインパクトを与えたのだろうか。Surfaceファミリーが目指す方向や戦略を探る。

» 2017年02月01日 08時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

 2012年に第1号機が発売されたSurfaceは今年(2017年)、発売から5年目を迎える。この5年間でSurfaceはどんな成果を生み、市場にどんなインパクトを与えたのだろうか。Surfaceファミリーが目指す方向や戦略を探る。

Photo 2012年6月18日にお目見えした初代surface

Surfaceに結実した2つの目標

 Microsoftの自社ブランドデバイス「Surface」の第1号機が、2012年月に米国で発売されてから、今年(2017年)で5年目を迎える。米Microsoftによれば、Surfaceには2つの目標があり、この5年でそこにフォーカスしてきたという。

新たなカテゴリーの創出

 Surfaceの目標の1つは、従来のコンピュータにはできなかった家庭やオフィスでの利用の幅を広げるデバイスという「新たなカテゴリーの創出」だ。

 Surfaceの特徴は、キーボードを取り外してタブレットとしても利用できる2in1型で、背面に配置したキックスタンドで角度を調整しながら立てて使える点。つまり用途に応じて、タブレットとしてもPCとしても利用でき、手軽に持ち運んで利用できる。

 新たなカテゴリーを創出するという目標がSurfaceで達成されたことは、AppleやGoogleが同様のデザインのデバイスを投入しはじめたことで証明された、というのがMicrosoftの言い分だ。Surfaceが登場する以前は、薄型化や軽量化、高速化を図り、画質を良くすることだけに力が注がれ、ラップトップの進化は不十分だったが、それを打破したのがSurfaceというわけだ。

 新たなカテゴリーを創出したのは、シリーズの一角を担う「Surface Hub」も同様だという。

 Surface Hubは、チームコラボレーションを支援するデバイスで、ディスプレイは84型と55型をラインアップする。広角高解像度カメラ、赤外線プレゼンスセンサー、高性能マイクを搭載し、ビデオ会議にも活用できる。

 これまでの会議は、会議室に入るとホワイトボードがあり、ラップトップを起動してプロジェクターとつないでPowerPointの資料を投影する――といった流れが主流だったが、ホワイトボードにもビデオ会議端末にもなるSurface Hubを活用すれば、効率よく会議を進められるようになり、会議の姿は大きく変わる。Microsoftによると、「発売から約半年を経て日本でも高い評価が出ており、グローバルでは、500台以上の一括受注も発生している」という。

Photo チームのディスカッションやアイデア創出を支援する大画面デバイスSurface Hub

 日本マイクロソフト本社でも、2016年末に社内にSurface Hubを20数台導入。従来は特定のフロアでしか利用できなかったチームコラボレーションを全フロアで利用できるようにしたという。

ユーザーに誇りを持って使ってもらえるデバイス

 そして2つ目の目標は、「ユーザーに誇りを持って使ってもらえるデバイスの創出」だという。

 同社によると、Surfaceは、若い人たちに人気があるだけでなく、政府や官公庁でも採用されているという。またクリエイターにとっても欠かすことができないツールとなっているようだ。同社のsurface担当は、「生産性を向上させるデバイスとしての新たな選択肢を提案するとともに、Surfaceは、人々の仕事の仕方を変えてきた」とする一方、「特にSurface Bookは、デザイン面でも多くの人から高い評価を得ている。ユーザーに誇りを持って使ってもらえるデバイスになっている証明」と自信をみせる。

 Surfaceの購入者を見ると、従来、ビジネスパーソンや学生が中心で、生産性の向上を目的に購入している例が多いという。それに加えて「Surface Book」の投入以降、クリエイターやゲーマーなどの購入が増加する傾向が出ているそうだ。

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