OracleのハードCEO、2025年のクラウドの利用状況予測を披露次世代エンジニアドシステム「Oracle Exadata X7」も発表

Oracleのマーク・ハードCEOはOracle OpenWorldで行った基調講演の中で、2025年のクラウドの利用状況に関する予測を披露した。また、Oracleは次世代エンジニアドシステム「Oracle Exadata X7」も発表した。

» 2017年10月04日 11時00分 公開
[@IT]

 Oracleのマーク・ハードCEOは2017年10月2日(米国時間)、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld」で行った基調講演の中で、クラウドに関する予測を披露し、ビジネスの将来を論じた。また、Oracleは同日、最新プロセッサを搭載し、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアを強化した次世代エンジニアドシステム「Oracle Exadata X7」も発表した。

Oracle OpenWorldのWebサイト

ハード氏のクラウドに関する予測

 ハード氏は、2025年のクラウドの利用状況について次のような見通しを示した。

  • アプリケーションの開発とテストは100%クラウドで行われる
  • 本番アプリケーションの80%がクラウドで運用される
  • IT予算の80%がクラウドサービスに振り向けられる
  • IT予算の80%がビジネスイノベーションに投入され、システム保守には20%しか投入されない
  • 企業データは全てクラウドに保存される
  • エンタープライズクラウドは、IT処理のための最も安全な場になる

 さらにハード氏は、顧客のクラウドへの移行やクラウドネイティブなシステム構築を可能にするアプリケーションやプラットフォーム、インフラの開発を進めてきたOracleのクラウド戦略の成功を強調した。「Oracleは過去5年間で3500以上のSaaSと125以上のPaaSをリリースし、『Oracle Cloud』は業界で最も完全なクラウドとなっている」と同氏は述べている。

 「Oracle Cloudは、相互に連携する優れたアプリケーション、包括的なPaaS、次世代のIaaSが全て協調して動作し、補完し合うようになっている」

 ハード氏の基調講演では、Oracleの顧客であるBloom EnergyとFedEx、Gapの幹部も登壇し、自社がOracle Cloudのイノベーションを活用し、アジリティや効率性、収益性を高めていることを紹介した。

最新エンジニアドシステム「Oracle Exadata X7」

 一方、今回発表されたOracle Exadata X7は、従来のOracle Exadataに対してパフォーマンス、ストレージ容量、ネットワーク帯域幅、自動化といった点でハードウェアとソフトウェアを大幅に強化している。

 Oracle Exadataは、業界標準のスケールアウト型データベースサーバとスケールアウト型インテリジェントストレージサーバ、NANDフラッシュメモリに3次元構造を持つ「3D V-NAND」と「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)インタフェースを採用したPCIフラッシュストレージサーバおよび全てのサーバとストレージを接続するInfiniBandファブリックで構成されるエンジニアドシステム。

 Oracle Exadata独自のソフトウェアアルゴリズムにより、ストレージとPCIベースのフラッシュ、InfiniBandネットワーキングにデータベースインテリジェンスを実装することで、他のプラットフォームよりも低いコストで高いパフォーマンスと容量を実現しているという。同日発表された世界初の自律型データベースクラウド「Oracle Autonomous Database Cloud」も、Oracle Exadataが基盤となる。

 Oracle Exadataは、オンプレミスやOracle Cloudで展開することも、オラクル独自の「Oracle Cloud at Customer」で展開することも可能だ。

 Oracle Exadata X7のハードウェアは、最新の「Intel Xeonスケーラブルプロセッサ」を搭載しており、PCIe NVMeフラッシュストレージの容量は100%、ディスク容量は25%増加している。フルラックのOracle Exadata X7システムでは、ディスクストレージのRAW容量が1.7PB(ペタバイト)、またはNVMeオールフラッシュストレージが720TBとなる。

 さらに、イーサネットネットワーク帯域幅は10Gbpsから25Gbpsと150%向上しており、メモリ容量とパフォーマンスは50%向上しているという。Oracle Exadata X7データベースアプリケーションは、オンライントランザクション処理(OLTP)、アナリティクス、混合ワークロードのパフォーマンスを20〜40%強化できるとのこと。

 Oracle Exadata X7ではソフトウェアの刷新により、Oracleのインメモリデータベース技術のパワーが大容量のNVMeフラッシュストレージにまで拡大。共有ストレージ内の大規模データセットに対する分析ワークロードでも、インメモリパフォーマンスを実現できるという。これにより、DRAMにインメモリデータベースを高速化するベクトル演算アルゴリズムを適用することで、フラッシュストレージ内にカラム型フォーマットのキャッシュを自動的に生成。OLTPやアナリティクス用のデータベースを高速化して、アナリティクスの性能も向上できるという。

 新しいOracle Exadataソフトウェアは、共有ストレージからのOLTPワークロードに関してもインメモリパフォーマンスを実現する。ストレージ内のキャッシュとして自動的にDRAMを使用することで、既に高速なフラッシュのアクセス時間と比べても、データアクセスを最大250%高速化することが可能だという。

「Oracle Exadata」の詳細

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