“意味不明のダメ翻訳”をAIで大幅改善、NICTとSMBC日興証券、金融分野特化のAI自動翻訳システムを開発

SMBC日興証券とNICTは、金融分野に特化したAI自動翻訳システムを開発した。SMBC日興証券が保有するアナリストレポートの日英対訳データを、ニューラルネットワーク(深層学習)を用いたNICTの自動翻訳エンジンに学習させた。

» 2020年01月16日 11時27分 公開
[ITmedia]

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 SMBC日興証券と情報通信研究機構(NICT)は2020年1月15日、投資情報のAI自動翻訳システムの共同研究を開始し、金融分野に特化したAI自動翻訳システムを開発したと発表した。

 近年、投資情報をいち早く入手することが重要になっている。SMBC日興証券とNICTによると、東証一部の売買金額の約7割を海外投資家が占めることから、日本のアナリストレポートの英訳版に対する海外投資家のニーズが高まっているという。

「理解できない文章」から「高品質」へ 翻訳精度を向上させた仕組みとは

 NICTによると、開発した金融向けAI自動翻訳システムの精度は、翻訳精度スコア「BLEU(BiLingual Evaluation Understudy)」で表すと42.8。BLEUスコア40〜50は「高品質な翻訳」とされる。ちなみに従来の汎用AI翻訳のBLEUスコアは13.1で、「趣旨を理解するのが困難」とされるレベルだった。

実際にAI自動翻訳システムが翻訳した文章

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