化学企業トップが目指す「グロース企業」カギを握るOODAカルチャーとは

「グロース企業の文化を見習え」――。半導体材料などで知られる化学メーカー、JSRの会長が語ったのは、成長の仕組みや戦略ではなく、企業文化の作り方だった。「脱PDCA」で飛躍を目指す。

» 2021年05月21日 10時00分 公開
[齋藤公二ITmedia]
JSR取締役会長の小柴満信氏

 JSRは日本を代表する化学メーカーで、合成ゴム・合成樹脂などのエストラマー事業や、半導体材料、ディスプレイ材料などのデジタルソリューション事業、バイオ医薬の創薬製造など医薬分野の最先端ニーズをとらえたライフサイエンス事業などを展開する。

 企業理念に「マテリアルを通じて価値を創造し、人間社会(人・社会・環境)に貢献」することを目指す「Materials Innovation」を掲げ、経営の軸に「絶え間ない事業創造」「企業風土の進化「企業価値の増大」を据えながら、デジタル変革(DX)に向け積極的な取り組みを進める。

 同社取締役会長で経済同友会副代表幹事の小柴満信氏によれば、DX推進と成長のカギを握るのは企業文化の再構成だ。その際のツールとなるのが、意思決定プロセスとDX時代に即した生産性の評価だ。

本稿は、「The DX Forum 3つのポイントでひも解くデジタル変革の真髄」(4月15〜16日、日本IBM主催)の基調講演「デジタル変革(DX)企業への道のり」でJSR取締役会長で経済同友会副代表幹事の小柴満信氏が語った内容を再構成したものである。


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