2022年はB2B決済の変節点 米国デジタル決済の普及を阻む「しがらみ」は解消するかPayments Dive

COVID-19のパンデミックは、B2B決済のイノベーションを加速させた。決済をより速く簡単にするために、新しいテクノロジーが導入されようとしている。

» 2022年03月03日 08時00分 公開
[Caitlin MullenPayments Dive]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

Payments Dive

 コンシューマー市場ではさまざまな決済のイノベーションが発生したが、企業間(B2B)決済での進歩は、はるかに遅れている。コンサルティング会社Mercator Advisory Groupのコマーシャル&エンタプライズ決済アドバイザリーサービスのディレクターであるスティーブ・マーフィー氏は「特定の問題点は何年も続いているが、それらに対処しなければならないという意識がパンデミックの間に劇的に増大した」と述べる。

 調査会社Aite-Novarica Groupのコマーシャルバンキング&決済ディレクターであるエリカ・バウマン氏は、パンデミックが「この加速的な動きを生み出し」、企業がロックダウン中にメールにアクセスできず、労働力も分散したことに気付いたとき、テクノロジーへの依存度が高まったと話す。

 コンシューマーサービスで決済イノベーションが普及したことがB2B決済の変化を後押しした。最大の焦点は「スピードだ」とバウマン氏は言う。企業は、銀行が所有するクリアリングハウスが提供するリアルタイム決済システムである「RTP」、連邦政府が今後立ち上げようとしている「FedNowシステム」などの決済イノベーションを通じて、より迅速な決済を切望している。「より高速なデータも重要だ」と同氏は話す。

 「私たちは個人および消費者として、決済がより迅速かつ効率的に行われることを知った。今ではビジネスの世界でもそれを望んでいる」(バウマン氏)

日本の「FAX」のようなもの? 米国のデジタル決済を阻む問題

 企業は、Automated Clearing House(ACH:自動資金決済センター)の決済、電信送金などの次にデジタルウォレットや暗号通貨などの新しい代替手段を検討する場合がある。だが、デジタル化や自動化を進めるに当たり、米国のB2B決済は乗り越えなければならない過去の「しがらみ」がある。

© Industry Dive. All rights reserved.

注目のテーマ