アプリケーションのモダナイズは「5件中2件以上が失敗」の衝撃調査結果原因はどこに? アナリストの見解

企業が機動力ある事業運営を進めるには、事業を支える業務アプリケーションにも機動力が求められる。だが、クラウドや自動化に対応したモダンな実装に変更するアプリケーションモダナイズは十分な成果を挙げられないケースが散見される。調査では半数近くが「失敗プロジェクト」との結果が出た。

» 2022年07月28日 12時00分 公開
[Roberto TorresCIO Dive]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

CIO Dive

 企業はアプリケーションのモダナイズにかかるコストを過小評価しており、アップグレードが期待外れであることも多い。

 モノリシックなレガシーJavaアプリケーションのモダナイズを支援するプラットフォームを提供するvFunctionが2022年6月21日(現地時間)に発表したデータによると、アプリケーションのモダナイズは、プロジェクトの期待値が不明確であることが原因で、5件中2件以上が失敗している。

vFunctionのレポート「Executives and App Modernization: What Architects Want You to Know About Why App Modernization Projects Fail」(出典:vFumction公開資料)

 調査会社Wakefield Researchは、米国を拠点とするディレクターレベル以上のエグゼクティブ250人を対象に調査を実施した。

 エグゼクティブの回答によれば、「企業構造の変化」や「コスト」も進行中のプロジェクトを停滞させる原因になっている。また、モダナイズプロジェクトの失敗は「ツールやスキルの不足が原因」と答えている。

 エンタープライズアプリケーションのモダナイズは平均16カ月を要し、プロジェクト費用は少なくとも150万ドルに達することが報告されている。

 現代のビジネスにおいては、金融取引から製品配送、顧客サービスに至るまでのビジネスの中核を担うプロセスをアプリケーションが管理する。このためモダナイズ施策を実行するたびにアプリケーションをオフラインにすれば、その都度、コストがかさむことになる。

 アプリケーションのオーバーホール後も、プロジェクトの成果に関して従業員とリーダーの見方が一致していなければ、そのミスマッチが失敗につながる可能性がある。

さほどモダンにならない「モダナイズプロジェクト」の残念な実態

 vFunctionのCEO兼共同設立者であるモティ・ラファリン氏は、次のように述べる。

© Industry Dive. All rights reserved.

注目のテーマ