伊藤忠商事がサイバーセキュリティ対策専門子会社を設立、サプライチェーン攻撃に備える

サプライチェーン攻撃のリスクが増大する中、企業グループでサイバーセキュリティの専門チームのリソースを活用する取り組みが出てきた。

» 2023年01月11日 12時15分 公開
[田渕聖人ITmedia]

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 伊藤忠商事は2023年1月10日、グループ全体のサイバーセキュリティ対策を取り扱う専門子会社「伊藤忠サイバー&インテリジェンス」を同年2月に設立すると発表した。

CSIRT部隊を子会社化する背景は?

 伊藤忠商事内のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)の機能を同社に移管、拡大する。新会社はグループ約200社にサイバーセキュリティ対策を支援する他、各社のセキュリティ人材育成に向けたトレーニングなどの教育も担う。

 子会社化の背景について、伊藤忠商事はサプライチェーン攻撃のリスクへの警戒を挙げる。

 伊藤忠商事によれば、日本においては、脅威やリスクの分析、モニタリング、自社システムに対する疑似攻撃を伴う演習など、多種多様かつ高い専門性が求められる業務を担うセキュリティチームを自社で保有する企業は少ないのが現状だ。同社は「ベンダー任せの体制による知識の偏りや人材不足が発生し、結果としてサイバー攻撃被害が増加している」と指摘する。

 伊藤忠商事は子会社設立によって「グループが推進するビジネスをサイバー攻撃の脅威から守ることに加え、その知見やノウハウを社会に還元することで、社会インフラにおける日本のサイバーセキュリティ課題の解決に寄与することを目指す」としている。

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