Azureのバックアップコストを30%削減 損保ジャパンがVeeamを採用

損害保険ジャパンは「Veeam Backup for Microsoft Azure」を採用した。保険契約関連業務システムのバックアップを統一し、約30%のTCO削減を見込む。

» 2023年06月29日 08時00分 公開
[山口哲弘ITmedia]

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 Veeam Software(以下、Veeam)は2023年6月21日、損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)が保険契約関連業務システムを「Microsoft Azure」に移行する際のシステムバックアップに「Veeam Backup for Microsoft Azure」を採用したと発表した。

Azureバックアップに適用 Azure Backupよりも30%のコスト削減効果

 Veeamは今回の発表に当たり、「保険契約関連業務システムのバックアップを統一でき、同時に30%のコストを削減できる」としている。

 損保ジャパンは保険契約関連業務システムをパブリッククラウドに移行した。同社は同システムを保険商品の契約から保険料の収納、事故などの受付、保険金の支払いまで、あらゆる業務で利用しており、システムがトラブルを起こすと保険金支払いなどに影響を及ぼす恐れがある。そのためシステム保護は非常に重要な要素だが、従来利用していたプライベートクラウドのバックアップ環境では個々のシステムごとに異なるバックアップツールやストレージを使用しており、維持運用のコストが高い点が課題だった。

 新たに導入したVeeam Backup for Microsoft Azureでは、システムバックアップ環境を統一し、個別投資を不要とした。「Azure Backup」を利用した場合と比べて、9年のTotal Cost of Ownership(TCO)で約30%の費用削減が見込める。さらに、どのパブリッククラウドでもバックアップ運用を統一でき、将来、他のパブリッククラウドを活用する際でも、ベンダーロックインを防ぎながら柔軟なマルチクラウド戦略を展開可能だ。

 今回Veeam Backup for Microsoft Azureを導入した契約関連業務システムでは約800台のサーバーが稼働している。従来のシステム群の規模では、バックアップを全て完全に取得するのは困難だったが、VeeamはAPI連携が容易で、システムの整合性を確保しつつ、インフラ全体を網羅するバックアップの自動化が可能だ。

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