散らばるデータの検出と管理、保護を一元化する「NetApp BlueXP」新機能FedRAMP「ハイリスク」相当のデータ保護にも対応

ネットアップは、「NetApp BlueXP」に新たなセキュリティ機能を追加した。マルチクラウドのインフラ全体に対して、データを検出、管理、保護できるデータサービスを提供する。

» 2023年07月20日 10時00分 公開
[山口哲弘ITmedia]

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 ネットアップは2023年7月18日、ストレージ管理ツール「NetApp BlueXP」に新たなセキュリティ機能を追加した。同社は同機能によって、マルチクラウドのインフラ全体に対して、データを検出、管理、保護できるデータサービスを提供するとしている。

消失が許されない重要データの保護にも対応

 NetApp BlueXPは、NetAppのストレージOS「NetappOntap」ベースで管理されるストレージおよびデータサービスを1つのインターフェイスで管理できるツールだ。オンプレミス/クラウドを分けずに一貫したポリシーで運用できる。

 新たに追加された機能は、「NetApp BlueXP バックアップ&リカバリ」と、高度なセキュリティやコンプライアンスが求められる環境向けのデータ保護だ。クラウドセキュリティ認証規格の一つである「米国連邦政府によるリスクおよび認証管理プログラム」(FedRAMP)において「ハイインパクト」に該当する高度な保護が必要な環境にも対応する。

 ネットアップは、現在のIT環境ではデータの価値がかつてないほど高まっているのに対して、そのセキュリティはぜい弱だと指摘する。データは、運用の強化やイノベーションの促進、優れた顧客体験の創出を支援するという価値を生み出すものの、ランサムウェア攻撃やデータの消失・破損など、サイバー脅威の影響が無視できないとしている。

 さらにデータのインフラはオンプレミスやクラウドにまたがっており、データ保護やセキュリティ、コンプライアンスを複雑なものにしている。スキル不足と予算の制約もこうした課題に拍車をかけており、企業は、データ資産を管理し壊滅的な損失を避けるために、データ管理を簡素化してセキュリティを強化する必要がある。

 BlueXPの新機能はこれらの課題の解決を目指したものだ。新機能には、バックアップとリカバリーの簡素化、より多くの環境にわたるデータ保護、政府機関を含む高度なセキュリティ環境に導入するための機能などが含まれる。

 通常、データバックアップは要件ごとに個別に最適化して運用する必要があり、クラウド基盤ごとに固有の機能などの学習が必要となるが、NetApp BlueXP バックアップ&リカバリ機能は、システムや場所、ワークロードを問わずに一貫したデータ保護を実現する。保護対象のデータが複数のクラウド環境やオンプレミスに分散していても環境に依存することなく、「3-2-1」バックアップを適用できる。複数のツールや特別なトレーニングなどは不要だ。

 また、NetApp BlueXP バックアップ&リカバリ機能は、「NetApp Software-Defined Storage」やハイパースケーラーが提供するストレージサービスを使用して、「Amazon FSx for NetApp ONTAP」上のOracle Databaseデータのように、アプリケーション整合性が求められるデータの保護にも対応する。

 セキュリティに関しては、プライベードモードと制限付きモードを新たに備えた。これらは、BlueXPと関連ストレージ、政府機関のクラウドやインターネット接続からの完全な隔離が必要なダークサイトなど、高度なセキュリティとコンプライアンスが要求される環境に導入できる。「Cloud Insights Federal Edition」はFedRAMPのハイインパクトレベルの保護を必要とする環境への導入に利用可能だ。

 「Cloud Volumes ONTAP」(CVO)は、AWSの米国情報機関向けのマーケットプレースである「AWS Marketplace for the U.S. Intelligence Community」(IC)から利用できる。

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