富士通がアジアにおけるSAPビジネスを強化 ICSを買収の背景とは

富士通がSAPコンサルティング会社のInnovation Consulting Servicesを買収した。SAPビジネスを強化する富士通の狙いは何なのだろうか。

» 2023年09月04日 13時11分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 富士通は2023年9月4日、アジア太平洋地域におけるSAPビジネスの推進を目的に、タイを拠点とするSAPコンサルティング会社のInnovation Consulting Services(以下、ICS)を同年9月1日に買収したと発表した。

SAPビジネス拡大で富士通は何を目指すのか

 この買収は、富士通がサステナブルな世界の実現として掲げる「Fujitsu Uvance」の7つの重点注力分野の一つである「Business Applications」を強化するものだ。富士通グループとICSが持つSAPに関する知見を組み合わせることで、アジア圏におけるSAPビジネスの競争力を高める狙いだ。

 今後、富士通グループとICSは双方の顧客だけでなく、新規の顧客に対しても包括的なSAPオファリングを提供する。富士通はタイを中心にアジア太平洋地域でSAPビジネスの拡大に取り組んでおり、ASEANの市場における「富士通グローバルデリバリーセンター」(GDC)の機能強化を図っている。

 富士通はDX(デジタルトランスフォーメーション)のグローバルリーダーになることを目指し、2021年から積極的にM&Aに取り組んでいる。ICSの買収は7件目だ。

 富士通のグレーム・バードセル氏(執行役員EVP Asia Pacific CEO)はICSの買収について「ICSはタイやシンガポール、その他のASEAN諸国で高いスキルを持つSAPコンサルタントを有している。アジア太平洋地域のSAPサービス市場における富士通グループのポジションをさらに確固たるものにすると期待している」と述べた。

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