ヤマハがIT投資最適化で「脱Excel」を推進 全社DX計画を後押し

全社的なDX計画を推進中のヤマハ発動機がApptioのソリューションを採用した。戦略に応じた柔軟性の高いIT投資の意思決定に向けて、精度の高いITコスト管理を実施できる基盤を導入することが目的だ。

» 2023年09月29日 12時00分 公開
[山口哲弘ITmedia]

 Apptioは2023年9月21日、ヤマハ発動機がApptioのソリューションを採用したと発表した。ヤマハ発動機は、DX戦略の推進に必要となるITコストマネジメント基盤として活用する。

全社DX推進におけるIT投資の最適化に「脱Excel」で挑む

 ヤマハ発動機は、DX戦略「Yamaha Motor to the Next Stage」を掲げて、IT投資とコストの最適化や、戦略に基づく適切なIT投資判断の実現を目指している。Apptioの採用は、戦略に応じた柔軟性の高いIT投資の意思決定に向けて、精度の高いITコスト管理を実施できる基盤を導入することが目的だ。Apptioはハイブリッドおよびマルチクラウド環境および業務量や関連リソースにまたがるIT支出を統合的に可視化するソリューションを提供している。

 これまで同社は、ITコスト管理に「Microsoft Excel」を利用していた。この方法では、複数のシステムに分散したデータを統合するのに工数がかかり、データ不整合のリスクがあった。さらに世界に展開するグループ各社で異なる管理粒度を統合することや戦略に応じた柔軟性の高いIT投資の意思決定など、課題解決と改善のためにApptioを導入したという。

 ヤマハ発動機はまず、複数のファイルや管理手法が混在していたデータを統合するためのデータ分類構造の定義と、基礎となるITコスト可視化軸の確立、各ステークホルダーと共有するレポートの構築に取り組んだ。これにかかった期間はプロジェクト開始から約5カ月ほどだ。

 その後、段階的に取り組みを広げて、データ精度の向上やアプリケーションポートフォリオの管理、利用部門視点とグループ戦略にのっとった現状把握を行い、ApptioとTechnology Business Management(TBM)のノウハウを活用してコスト最適化に向けた取り組みを実践する計画だ。さらにDX戦略に必要で優先度の高いIT投資においては、機敏性が高く意思決定を行える体制を整えるとしている。

 なお、TBMはApptioの創業者であるSunny Gupta氏が2007年に提唱した、ITリソースから事業部門のニーズまでを統合的に管理する方法論のことを指す。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ