生成AIをシステム開発に活用する人は今後も増えていく。一方、現在は活用の初期段階であり、リスクの理解と対策が進んでいない。生成AIを用いたコーディング支援にはどんな課題があるのか。
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アプリケーションのコンテナ技術を提供するDockerが2024年4月(現地時間)に発表した調査によると、開発者の3分の2以上がAIを使用して仕事をこなしているが、AIへの依存度は職種や経験レベルによって異なることが明らかになった(注1)。
同調査によるとバックエンドやフルスタックの若手開発者は、ベテラン開発者よりも平均して2倍近くAIツールに依存しているという。
Dockerはこれを受け、AIモデルやAIツールはすでにソフトウェア開発プロセスを変革しつつあると結論付けた。「ChatGPT」「GitHub Copilot」「Google Bard」といったAIツールが開発者に浸透していることは、開発プロセスにおけるAIの価値を証明するものだと同社の報告書では述べられている。
開発プロセスを加速するAI搭載ツールは、企業内で支持を集めている。
Gartnerによると、2028年までにソフトウェアエンジニアの4分の3がAIコーディングアシスタントを利用するという(注2)。利用の拡大と加速が予想される一方で、CIO(最高情報責任者)はこの技術の潜在的な欠点に警戒心を抱いている。
ITリーダーが安全性とガバナンスの懸念を解消するために措置を講じようにも、まだ導入の初期段階であり、ベストプラクティスが確立されていない。
ほとんどの組織では、コーディング支援のためのセキュリティプロトコルを適応させたり、データを保護し不良コードを検出するためのガイドラインを整備したりするところまで至っていない(注3)。AIを搭載した開発ツールは通常、重要な情報を含む内部コードベースとやりとりするため、リスクが高まる(注4)。
それでも企業はより良い体験やより迅速なプロセス、改善されたワークフローを実現するために、ある程度のリスクを受け入れながらこの技術に慣れようとしている。パイロットプロジェクトやパイロットデプロイを進める企業では、技術リーダーは導入プロセスの一環として十分なトレーニングを受ける必要がある(注5)。
サイバーセキュリティ企業Snykのランドール・デゲス氏(開発者関係およびコミュニティー責任者)は、AIの急速な進化は開発者にとっても課題だと述べている。
同氏は2024年3月に「CIO Dive」に対し「ツールの進歩に伴い、ワークフローはおそらく3〜4回変わっている」と語った(注6)。
(注1)AI Trends Report 2024: AI’s Growing Role in Software Development(Docker)
(注2)AI-powered coding tools will soon be the norm, Gartner says(CIO Dive)
(注3)AI-generated code leads to security issues for most businesses: report(CIO Dive)
(注4)Is generative AI code ready for the enterprise?(CIO Dive)
(注5)Training could ease ‘AI skill threat’ for software developers, report says(CIO Dive)
(注6)How CIOs can infuse security into generative AI adoption(CIO Dive)
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