Google、ChromeのサードパーティーCookieの廃止計画を見直し：セキュリティニュースアラート

GoogleはChromeのプライバシーサンドボックスに関する新たなアプローチを発表した。サードパーティーCookieの廃止に代わる新しいエクスペリエンスをChromeに導入する予定であることを伝えている。

[後藤大地，有限会社オングス]

　Googleは2024年7月22日（現地時間）、「Google Chrome」（以下、Chrome）のプライバシーサンドボックスに関する新たなアプローチを発表した。

　サードパーティーCookieを廃止する代わりに、ユーザーがWeb閲覧全体に適用される情報に基づいた選択を実施できる新しいエクスペリエンスをChromeに採用する予定だという。

Googleの新たなプライバシー戦略　その詳細は？

　ChromeのプライバシーサンドボックスはGoogleが提案している新しい基準を示すもので、ユーザーのプライバシーを保護しつつ広告やコンテンツのパーソナライズを可能にすることを目的としている。この取り組みの一環としてサードパーティーCookieを段階的に廃止する計画が進められている。

　Googleはプライバシーサンドボックスをユーザーのプライバシーを保護しつつ、広告業界とパブリッシャーを支援するための革新的なソリューションと位置付けている。英国の競争・市場庁（CMA）や英国情報コミッショナー事務局（ICO）を含む規制当局や出版社、Web開発者、標準化団体、市民社会、広告業界の関係者など多様なステークホルダーから受け取ったフィードバックは、競争力のある市場の維持とプライバシー技術の促進に役立てると説明している。

　Googleを含む広告テクノロジー企業の間ではプライバシーサンドボックスAPIは十分な成果をもたらす可能性があり、業界全体で採用が進むにつれパフォーマンスが向上するとしている。ただし移行によりパブリッシャーや広告主を含む多くの企業に多大な影響を与える可能性があるとし、GoogleはサードパーティーCookieを廃止する計画を見直し、新たなエクスペリエンスをChromeに採用することを決定している。

　Googleは引き続きプライバシーサンドボックスAPIを提供するとともに、プライバシーと実用性の向上に投資し続けるとしている。またChromeのシークレットモードにIP保護を導入するなどの追加のプライバシーコントロールも提供するつもりであると伝えている。