損益計算書(P&L)は、一定期間における企業の売上高や費用、純損益を示す財務報告書だ。本記事では、損益計算書の読み方や主要な勘定科目、2つの計上基準を紹介する。
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損益計算書(P&L)は、営業損益計算書とも呼ばれ、一定期間における企業の売上高や費用、純損益を示す財務報告書だ。期間は任意に設定できるが、通常は月単位、四半期単位、年単位で作成される。暦年または会計年度に基づく場合もある。
本記事では、損益計算書の読み方や主要な勘定科目、2つの計上基準を紹介する。損益計算書の基本を確認しよう。
損益計算書は、財務報告のプロセスに含まれる3つの主要な計算書のうちの一つで、他の2つは貸借対照表とキャッシュフロー計算書だ。貸借対照表は、特定の時点における組織の資産や負債、資本を示す。損益計算書は、特定の期間における組織の収益に焦点を当てている。キャッシュフロー計算書は、これら2つの計算書とは異なり、特定の期間にどれだけの現金が組織に出入りしたかを示す。
組織は、2002年のSarbanes-Oxley法などの米国証券取引委員会(SEC)の規則を順守するため、またはその他の基準や規制要件を満たすために、損益計算書を作成することが多い。事業主や経営者も、損益計算書や他の財務情報を活用して、組織の業績を把握し、業務改善が必要な箇所を特定する。投資家や融資担当者も、組織の業績を確認するために損益計算書や他の財務書類を参照する。
損益計算書は、収益と費用を比較して、報告期間中の組織全体の損益を算出する。最も基本的な勘定科目として、組織の損益計算書には以下のものが含まれる。
損益計算書を作成する際、組織は、総収益や純売上、粗利率、純収益など、許容される範囲で代わりのカテゴリー名称を使用することがある。特に上場企業が発行する場合、損益計算書には他の情報が含まれることも多い。例えば、多くの損益計算書には営業利益の項目があり、利息や税金などの費用を考慮する前の組織の利益が記載されている。損益計算書には、利息や税金など、その他の収入源や支出源も記載されている場合がある。
図1は、Appleの損益計算書のサンプルだ。これは、Appleの2023年会計年度第1四半期の連結財務諸表の一部だ。この明細書には、売上高(総収益)、売上総利益率、営業費用、営業利益、純利益(最終利益)などのカテゴリーが含まれていることに注目してほしい。
組織が損益計算書を作成する際は通常、2つの計上基準のいずれかを使用する。
企業は、財務情報を追跡して報告するためにさまざまなリソースを使用できる。自動化された財務報告プロセスが推奨され、組織は厳格なデータガバナンスを維持しなければならない。これは多くの場合、企業資源計画(ERP)システムの財務モジュールや、専用の財務報告ソフトウェアを導入することで実現できる。
GAAPと国際財務報告基準(IFRS)の違いなどの会計上の課題をどのように解決すべきか探ろう。クラウド型のERPを活用することで財務変革がどのように迅速化するのか、金融機関がAIを使ってコンプライアンスをどのように効率化するのか確認してほしい。
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