Kali Linuxプロジェクトはi386アーキテクチャのカーネルとイメージ提供を終了すると発表した。Debianの方針に沿った決定で、週次イメージおよび「Kali Linux 2024.4」から適用される。
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Kali Linuxプロジェクトは2024年10月22日(現地時間)、Debianベースのオープンソースソフトウェア(OSS)の「Linux」ディストリビューション「Kali Linux」において、i386アーキテクチャのカーネルおよびイメージ提供を終了する方針を発表した。
この決定は2023年末までにi386サポートを終了するというDebianの方針に従ったものだ。Kali Linuxの週次イメージ「2024-W44」および「Kali Linux 2024.4」のリリースから適用される。他のLinuxディストリビューションでもi386アーキテクチャのサポートは段階的に縮小されており、今後もこの傾向は続くことが予想される。
Kali Linuxは主にセキュリティエンジニアやハッカー向けに特化したLinuxとされ、豊富なセキュリティツールがインストールされている。ハッキングやペネトレーションテスト、デジタルフォレンジックなどセキュリティ分野の専門家向けに設計されているため、システムの脆弱(ぜいじゃく)性診断やセキュリティ監査などさまざまなタスクを実行できる。
Kali LinuxはさまざまなCPUアーキテクチャに対応しているが、現在の主流はamd64(64bit x86)アーキテクチャだ。amd64はIntelおよびAMDのCPUを搭載する多くのPCやサーバに最適化されており、PC分野で広く使用されている。一方でこれまでi386アーキテクチャのサポートも続けていた。i386は主に2000年代初頭までのPC向けに提供されてきたが、近年は徐々に利用者が減少している。
今回の決定はDebianが2023年末までにi386カーネルとイメージを停止することに合意したことによるものとされている。Kali LinuxもDebianの方針に従い、i386カーネルおよびイメージを終了する運びとなった。この変更は週次イメージ(2024-W44)や年末リリース予定の「Kali Linux 2024.4」から反映される。ただし、i386用のパッケージはリポジトリーから完全には削除されないため、64bitシステムでi386プログラムを実行することは可能とされている。
他の主要なLinuxディストリビューションでも、i386サポートは段階的に縮小されている。「Arch Linux」は2017年に32bit ISOの提供を廃止しており、「Fedora」と「Ubuntu」も2019年にそれぞれi386カーネルとイメージのサポートを終了した。こうした流れは64bitアーキテクチャの普及と古い32bitシステムの保守負担を減らすための措置と考えられおり、今後さらに進むことが予想される。
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