NVIDIAのCEOとソフトバンク 孫氏が対談 ソブリンAIの供給の構想を語る技術トレンド

NVIDIAのAIカンファレンス「NVIDIA AI Summit Japan 2024」において、ソフトバンクの孫 正義氏が登壇。CEOのフアン氏との対談の中でAIスーパーコンピューター構築構想や、AI-RAN実用化に向けた構想を語った。

» 2024年11月21日 14時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 NVIDIAは2024年11月12〜13日、AIカンファレンス「NVIDIA AI Summit Japan 2024」を東京都内で開催した。同カンファレンスでNVIDIAはソフトバンクとの協業を発表。ソフトバンクはAI向けGPU「NVIDIA Blackwell」プラットフォームを使用したAIスーパーコンピューターの構築を発表。次世代計画においては「NVIDIA Grace Blackwell」を採用する計画だ。

「NVIDIA AI Summit Japan 2024」で対談するNVIDIAの創業者でのジェンスン・フアン氏(左)とソフトバンクグループ代表取締役会長 兼 社長執行役員の孫 正義氏 (右)(NVIDIA提供)

日本最大級のAIスーパーコンピューターを構築、ソブリンAIを広く供給

 Jensen Huang氏は基調講演の中で、ソフトバンクがNVIDIA Blackwellプラットフォームを使用した日本最大級のAIスーパーコンピューターを構築中であること明らかにした。また、NVIDIA Grace Blackwellプラットフォームを使用した次の計画を予定していることも明らかにした。

 孫氏はNVIDIAが提供するAI/HPC向けのプラットフォーム「NVIDIA DGX SuperPOD」を使ったAIスーパーコンピューターを自社の生成AI開発やAI関連事業に生かす他、外部にもリソースを提供する考えだ。

 「このプラットフォームを研究者、学生、スタートアップの多くに提供し、彼らがより多くのコンピューティングにアクセスできるよう奨励すべきです」(孫氏)

AI-RANの推進、AIマーケットプレース構築構想も

 この他、ソフトバンクは「NVIDIA AI Aerialアクセラレーテッドコンピューティングプラットフォーム」を使用して、AIと5Gを組み合わせた人工知能無線アクセスネットワーク「AI-RAN」の試験運用に成功したことも発表した。従来の通信ネットワークはピーク負荷に対応するように設計されており、平均するとその容量の3分の1しか使用しない。AI-RANが実用化されると、通信事業者は残りの3分の2の容量をAI推論サービスに割り当てることが可能になり、数十億ドル相当の収益増につながる可能性があるとしている。

 NVIDIAとソフトバンクは「NVIDIA AI Enterprise」ソフトウェアを使用するローカルで安全なAIコンピューティングの需要に対応できるAIマーケットプレイスの構築を目指していることも明らかにした。

 AIトレーニングとエッジAIの推論をサポートするこの新サービスは、ソフトバンクを日本の「AIグリッド」に位置付け、消費者を含む日本の産業全体におけるAIサービスの新しいビジネスチャンスを促進するとしている。

 Jensen Huang氏は対談の中で日本のAI産業の将来について次のように述べている。

 「日本は世界に影響を与える技術革新の先駆者として長い歴史がある。ソフトバンクがNVIDIAのフルスタックAIソリューションおよび「Omniverse」、5G AI-RANプラットフォームに多額の投資をした結果、日本はAI産業革命における世界のリーダーとして通信、輸送、ロボット工学、ヘルスケア産業全体の新たな成長の牽引役となりAI時代の人類に大きな利益をもたらすだろう」

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