ソフォスは2025年のサイバーセキュリティ予測を発表した。攻撃者はリソース不足のセキュリティ担当者たちを狙った“新戦術”を駆使する可能性があるという。これに対して企業がすべき対策とは。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
ソフォスは2024年12月10日、同社エキスパートによる2025年のサイバーセキュリティトレンド予測を発表した。発表ではランサムウェアやAI、国家が背後にある攻撃、攻撃者の戦術など各分野における重要な課題と予測が詳細にまとめられている。
調査によると、教育機関と医療機関が引き続きランサムウェア攻撃の主なターゲットとなることが予測されている。これらの分野は限られた予算とレガシーシステムに依存しているため、攻撃者にとって狙いやすい標的であり続けている。特に医療機関では業務中断による生命への影響もあり、攻撃者が迅速な身代金の支払いを要求することが懸念されている。
この他の調査結果は以下の通りだ。
AIの進化に伴い、AI自体が攻撃の対象となるリスクが増大している。最新の大規模言語モデル(LLM)に対する攻撃手法が進化し、脆弱(ぜいじゃく)性が露呈しはじめている。加えて生成AIの普及により、スキルの低い攻撃者でも高度な攻撃手法を使用するようになってきている。彼らの攻撃成功率は低いものの、セキュリティ対応を妨げる“ノイズ”が増加し、実際の脅威を見えにくくしている。
また、AIの進展は緩やかなものとなり、今後は電力効率やコスト効率の最適化が進むと予測されている。複数のAIモデルを連携してより複雑なタスクを実現する「マルチエージェントシステム」の活用が増加することも予想されている。
国家が背後にある攻撃では従来の企業ターゲットだけでなく、エッジデバイスや中小企業にも被害が拡大する可能性が懸念されている。これらのデバイスはパッチが適用されていないことが多く脆弱性が残っており、国家主導の脅威アクターにとって利用価値が高いものとなっている。
サイバー犯罪者はおとりとなるサイバー攻撃や軽微なインシデントを利用してセキュリティ対応チームのリソースを分散させる戦術を強化している。この他、クラウド環境やサプライチェーンが新たな攻撃の焦点となりつつある。特にサプライチェーン攻撃がフォーカスされており、影響範囲が広がるため企業にとって深刻な課題となることが予想されている。
ソフォスのエキスパートは2025年に向けた提言を示している。
2025年に向けてセキュリティの課題はますます複雑化することが予想される。企業はソフォスの予測を踏まえたセキュリティ対策を講じることが望まれる。
TP-Link製の複数ルーターに深刻な脆弱性 対象製品とユーザーへの影響は?
大企業にはマネできない 小さい組織ならではの冴えたランサムウェア対策
情報セキュリティ測定の新指針 NISTが特別刊行物の最終版を発行
パナソニック コネクト傘下のSCM大手ベンダーがランサムウェア被害 スターバックスにも影響波及Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.