Cloudflareが年次報告書2024年版を公開 インターネット動向を総括セキュリティニュースアラート

Cloudflareは2024年のインターネット動向を総括する年次報告書「Cloudflare Radar 2024 Year in Review」を公開した。トラフィックや採用、接続性、セキュリティ、メールセキュリティの分野に分け、インターネット動向を分析している。

» 2024年12月12日 08時30分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Cloudflareは2024年12月9日(現地時間)、同社で観察されたインターネットの傾向とパターンをまとめた「Cloudflare Radar 2024 Year in Review」を公開した。

 2024年で5回目となる年次報告書ではトラフィックや採用、接続性、メールセキュリティに関する新たな指標が加えられた他、前年比および地域別の比較が報告されている。

トラフィックからセキュリティまで幅広い分野での2024年の傾向

 Cloudflareのネットワークは現在120以上国または地域の330以上の都市に展開されており、毎秒平均6300万件のHTTP(S)リクエストおよび4200万件のDNSリクエストを処理している。この広範なネットワークによってセキュリティやトラフィック、パフォーマンス、使用状況に関するリアルタイムの洞察を提供できている。

 2024年の年次レビューはトラフィックや採用と使用、接続性、セキュリティ、電子メールセキュリティの5つのセクションで構成されている。各セクションの主な調査結果は以下の通りだ。

  • トラフィック: 世界のインターネットトラフィックは前年から17.2%増加した。Googleは引き続きインターネットサービス全体で最も人気のある地位を維持している。OpenAIは生成AI、「Binance」は暗号通貨、「WhatsApp」はメッセージングプラットフォーム、「Facebook」はSNSでトップだった。Starlinkのトラフィックは前年比で3.3倍に増加し、新たにサービスが開始された地域では急成長を記録した。TLS 1.3トラフィックの13.0%が量子耐性暗号化を使用していた
  • 採用と使用: モバイルデバイスのトラフィックの約3分の1はAppleの「iOS」デバイスから発生した。一方で「Android」は29の国または地域で90%以上を占める。HTTP/2が全Webリクエストの半数近くを占め、HTTP/3は20.5%で徐々に増加中。React、PHP、jQueryはWebサイトの構築に使用される最も人気のあるテクノロジーで、HubSpot、Google、WordPressは最も人気のあるベンダー。GoがNode.jsを上回りAPIリクエストで最も使用される言語に。「Google Chrome」は最も人気のあるWebブラウザだがiOSでは「Safari」が優位だった
  • 接続性: 世界中で225件の大規模なインターネット障害が観測され、その多くが政府による地域および国のインターネット接続の遮断に起因した。IPv6の採用率は全世界で28.5%、インドとマレーシアが高水準を記録した。インターネットトラフィックの41.3%がモバイルデバイスから発生した
  • セキュリティ: 全トラフィックの6.5%が潜在的に悪意のあるものとして軽減措置が講じられた。米国は世界のbotトラフィックの3分の1以上を占めている。ギャンブル/ゲーム業界が最も攻撃を受け、金融業界を上回る。「Apache Log4j」の脆弱(ぜいじゃく)性が引き続き標的になっている。RPKI有効IPv4アドレス空間は前年比4.7%増加し、RPKI有効ルートは前年比で6.4%増加
  • メールセキュリティ: Cloudflareは全メールの4.3%が悪意のあるものと判断した。欺瞞的リンクやID偽装が主な脅威とされている。.bar、.rest、.unoといった特定のトップレベルドメイン(TLD)からの電子メールの99%以上がスパムまたは悪意のあるものであることが判明している

 Cloudflareはこの年次報告書を通じて詳細なデータセットと指標を提供している。同社はこれらの洞察がセキュリティ体制の強化、IT戦略の最適化、製品開発など幅広い意思決定に役立つとしている。本レポートは企業が2025年に向けた計画や戦略を立てる上で有益な指針となる。

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