サイバーセキュリティ分野に対する2024年の合計投資額は9%増加し、95億ドルだった。2024年に最も多くの資金を調達した領域は何だったのだろうか。
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サイバーセキュリティ分野でリクルート事業を営むPinpoint Search Groupが2025年1月7日(現地時間)に発表した調査によると(注1)、2024年にベンチャーキャピタリストは、サイバーセキュリティ分野のスタートアップ企業に合計95億ドルを投資したという。これは2023年の投資額から9%増加している。
2024年、セキュリティ関連のスタートアップ企業は、304件の資金調達ラウンドと79件のM&A取引を通じて合計95億ドルを調達した。Pinpoint Search Groupの調査によると、2023年の資金調達ラウンドは346件で、M&A取引は91件だった。
2024年における資金調達の約60%は、シード期やシリーズAの段階にある初期のセキュリティスタートアップ企業において実施された。それにもかかわらず、調達された資金の半分以上は成熟した段階のラウンドに充てられている。
サイバーセキュリティ分野における資金調達を振り返ると、業界内で大型の取引が続く傾向が見受けられる。総資金額は年々増加している一方で、ラウンド数は減少しているためだ。
このような傾向は四半期ごとにみても共通しており、年間を通じて一貫している。特に2024年の後半には顕著だった。第1四半期には77ラウンドで総額23億ドルが調達されたが、第4四半期には投資家が投資範囲を狭めたことにより、56ラウンドで総額17億ドルが調達された。
ベンダーの統合は、サイバーセキュリティ分野での投資に影響を与えている。多くの小規模なソリューションが乱立する中、大手セキュリティベンダーは、包括的なサービスを提供できるよう組織を整えている。
サイバーセキュリティ分野で2024年に最も多くの資金を調達した領域には、データおよびID管理、AI、検出と対応、脆弱(ぜいじゃく)性管理が含まれている。
(注1)2024 Cyber Security Vendor Funding Report(PINPOINT SEARCH GROUP)
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