大手ベンダーこぞって始めたAIエージェント ServiceNowの取り組みは?CIO Dive

AIエージェントの進化が企業の業務効率化を後押ししており、ベンダー各社も関連サービスを拡張している。ただし、セキュリティ面での不安は依然として残っているため、慎重に導入を検討する必要がある。

» 2025年03月31日 09時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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CIO Dive

 ServiceNowは2025年1月29日(現地時間)、企業がAIエージェントを導入する際の障壁を取り除くため、同社のAIエージェントのポートフォリオにおける複数の機能強化をする計画を発表した。

 同社によると、「AI Agent Orchestrator」はより円滑なコミュニケーションと集中した調整を可能にし、エージェント間の情報共有と複雑なワークフロー管理を容易にするという。

企業の業務効率化を支援するAIエージェントの最新トレンド

 顧客がソリューションをカスタマイズできるAIエージェントスタジオに加え、数千のあらかじめ設定されたAIエージェントをプラットフォームに追加する。これらのエージェント機能は2025年3月に提供予定で、「Enterprise Plus」プランの顧客は追加費用なしで利用できるという。

 AIエージェントが業界のバズワードとなる以前から、ServiceNowは企業の自動化を推進してきた。ビジネスプロセスの自動化を強化する技術が登場し、同社はそのポートフォリオを常に最新の状態に保てるよう努力してきた。

 2024年9月に初めて顧客へのAIエージェントの提供を開始したが、現在ではAIエージェントを利用している顧客は1000社近くに上り、Ernst & YoungやRolls-Royce Holdingsなどの企業がいち早くこのソリューションを試している(注1)。

 Rolls-Royce Holdingsのレイチェル・キャメロン氏(変革プログラム責任者)は発表の中で「ServiceNowのAIエージェントを統合することで、業務の効率化や手作業の削減、さらにはより迅速かつデータ主導の意思決定を実現している」と述べている。

 また、ServiceNowはAIエージェントの開発を加速させるため、会話型AIプラットフォームを提供するCueinを買収する計画を2025年1月初めに発表した(注2)。

 同社は2024年12月31日までの第4四半期のサブスクリプション収入が前年同期比で21%増加したという。ジーナ・マスタントゥオノ氏(CFO《最高財務責任者》 兼 社長)は2025年1月29日のリリースで、「生成AI関連の契約が大幅に増加した」と述べた(注3)。

 大企業向けベンダーは、こうしたAIイノベーションの最新のトレンドに乗り遅れないよう動きを見せている。

 Salesforceは「Agentforce」の販売を強化するために2000人の営業担当者を増員した結果、1週間で200件の契約を獲得し、さらに数千件の案件が進行中だという(注4)。ハイパースケーラーや他の多くのテックベンダーもエージェントの導入拡大に取り組んでいる。Forrester Researchの最近の市場分析によると、約400のベンダーがすでにエージェントプラットフォームを提供していることが分かったが、自律性の程度はさまざまだ(注5)。

 一方で、CIO(最高情報責任者)はワークフォースやセキュリティへの潜在的な悪影響に注意して導入計画を進める必要がある。Gartnerは2024年10月の予測で、2028年までに企業のセキュリティ侵害の4分の1がAIエージェントの悪用が原因で起こると警告している(注6)。

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