明電舎は全社横断的なセキュリティ強化の一環として、ニュートン・コンサルティングの「サイバーセキュリティ対応能力向上研修」を導入した。SIRTマネジャー向けに基礎知識の習得とインシデント対応能力の向上を目的とした研修を実施した。
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ニュートン・コンサルティングは2025年3月12日、明電舎における「サイバーセキュリティ対応能力向上研修」の導入事例を公開した。明電舎が推進する全社的なサイバーセキュリティ体制強化の一環として、情報セキュリティ責任者(SIRTマネジャー)向けにカスタマイズされた実践的な研修が導入されている。
明電舎は発電・送電・変電システムや産業向けシステムなど幅広い事業を展開する中で、サイバーセキュリティの強化を経営課題の一つとして位置付けている。特に近年のサイバー攻撃の脅威を踏まえ、全社横断的な対応力を高めるため、各部門にSIRTマネジャーを選出し、新たな体制を構築した。
この体制強化の一環としてSIRTマネジャー向けの研修を実施することが決定され、ニュートン・コンサルティングが提供する「サイバーセキュリティ対応能力向上研修」が導入された。同研修ではSIRTマネジャーの役割を踏まえ、サイバー攻撃の基礎知識からインシデント対応の実践まで、社内規定に沿った内容が組み込まれている。
同研修では全員がサイバーセキュリティに詳しい状態ではなかったことから「基礎知識を伝えること」「サイバーセキュリティに対する当事者意識を高めること」の2点を目的に実施した。
サイバー攻撃の危険性などがより高まっていることから、明電舎はインシデント対応を研修テーマとして設定したという。また、研修では他社のサイバー被害事例やサイバー攻撃デモ動画を通じてサイバーリスクの現実を実感できるよう工夫されている。簡易演習も実施し、「有事の際にどのように対応すべきなのか」「社内にはどのようなルールがあるのか」といったことを各自で検討する時間も設けられた。
明電舎の松山菜摘氏(DX推進本部 デジタル化推進部 基盤技術課 主任)はサイバーセキュリティ対応能力向上研修を導入した理由として「インシデント対応の専門的なノウハウについて、自社のリソースだけで研修することは難しいと判断し、外部にお願いすることにしました。『リスクマネジメントを専門にコンサルティングしている会社』であることと、Webサイトの情報が豊富であったことで関心が芽生えて問い合わせました」とコメントする。
明電舎は今後は訓練などさらに一歩踏み込んだセキュリティ強化策の実施も検討している。また、SIRTマネジャー同士の連携を深めるための仕組み作りも重要なポイントとして挙げている。ニュートン・コンサルティングは、「引き続き企業のサイバーセキュリティ強化を支援し、実効性のある研修・コンサルティングを提供する方針だと」している。
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