楽天証券はフィッシング詐欺による不正取引への対策として「リスクベース認証」を導入すると発表した。この認証方式によって不正アクセスや不正取引を抑制できる。
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楽天証券は2025年3月21日、セキュリティ強化の一環として「リスクベース認証」を導入すると発表した。2025年3月23日からPCやスマホのWebサイトでログインする際に適用する予定で、最近発生している利用者の意図しない不正取引に対応するために導入するという。
楽天証券において利用者の口座に対する不正アクセスの報告が相次いでいる。特にフィッシング詐欺を通じてパスワードを盗まれた利用者の口座で不正取引が実行されるケースが多発している。被害者の中には保有する株式が勝手に売却され、その資金で中国株が大量に購入されているといった事例も確認されている。
こうした被害を防ぐためリスクベース認証を導入する。リスクベース認証は通常とは異なる環境からのログイン試行時に追加の本人確認を求める仕組みで、不正アクセスのリスクを大幅に低減できるという。
フィッシング詐欺の電子メールやWebサイトは送信元やURL、デザインが本物そっくりに作られていることが多く、利用者がだまされやすい点が特徴だ。楽天証券の利用者に対しても、公式サイトを装った偽のログインページに誘導し、IDやパスワードを盗み取る手口が報告されている。
楽天証券のリスクベース認証では登録済みの電話番号を利用したフリーダイヤル認証やSMS認証が採用されており、不正アクセスを試みた第三者が突破することが困難となる。
楽天証券は利用者に対してフィッシング詐欺の急増について注意を促している。特に電子メールでIDやパスワード、取引暗証番号を尋ねることは一切ないため、不審な電子メールには絶対に対応しないよう呼びかけている。また、不正アクセスの可能性がある場合は、速やかにパスワードの変更やログイン追加認証サービスの設定を推奨している。
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