約1年ぶりに復活 VMwareが「ESXi」無償版を再提供

BroadcomがVMware vSphere Hypervisor 8の無償提供を再開した。従来の無償版ESXi提供終了後にユーザーから不満の声が上がっていたが、今回の再提供により再び小規模環境での活用が可能となった。

» 2025年04月18日 10時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 VMware(Broadcom)は2025年4月10日(現地時間)、機能制限付きの無償ハイパーバイザー「VMware vSphere Hypervisor 8」の提供を再開した。2024年2月に無償版の提供を終了して以降、約1年2カ月ぶりの提供となる。

ESXi 8の無償版再登場、小規模環境の救世主となるか

 同日付で公開した「VMware ESXi 8.0 Update 3e」のリリースノートで、Broadcomはエントリーレベルのハイパーバイザーとして「VMware vSphere Hypervisor」バージョン8を無償で提供することが明らかになった。商用サポートは提供しておらず、非本番環境での使用を前提としている。Broadcomは無償版の対象ユーザーとして、検証や学習、テスト環境の構築を目的とする個人や小規模な組織などを想定している。

 この無償版はvCenterによる集中管理には対応しておらず、管理には個別ホストごとに「VMware Host Client」を使用する必要がある。さらに仮想マシンに割り当て可能な仮想CPU(vCPU)の数は最大8個までに制限している。無償版はBroadcom Supportポータルからダウンロードできる。

 この発表で、かつて提供されていた「ESXi 無償版」が事実上復活した形となる。VMwareは2024年2月、vSphere Hypervisor(ESXi 7.xおよび8.x)の無償提供を終了していた。これは同社が2023年12月に発表した永久ライセンス廃止方針に基づく措置であり、2024年1月に複数製品の販売終了を告知していた。無償版の提供終了は多くのユーザーに影響を与え、SNSなどではダウンロードリンクの消失に関する投稿も相次いでいた。

 ただし、従来と同様に機能制限やサポート対象外である点には留意が必要だ。本番運用や集中管理を求める用途においては、引き続きサブスクリプションライセンスによる有償版の利用が求められる。再提供となった無償版vSphere Hypervisorは、特定の要件を満たすユーザー層にとって有効な選択肢となり得る。

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