DX推進室のメンバーたちはDXに利用できるデータを求め、情報システム部を訪れます。たくさんのデータを入手しましたが、松尾豊先生(東京大学大学院教授)からは「残念ながらほとんど利用できないかもしれない」と言われてしまいます。その理由は……?
「DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しているが、なかなか成果が出ない」──そんな悩みを抱える中堅・中小企業は多いのでは。「何から取り組んだらよいのか迷っている」「そもそもDXに取り組む意義が分からない」という場合もあるかもしれません。
本記事はSBクリエイティブ刊『マンガでわかるDX』(小峰弘雅、岡田陽介、柴山吉報 著、松尾豊 監修、漫画:おうみ)からDXで成果を出すためのポイントを紹介します。
なかなか成果が上がらず苦しんでいたDX推進室長の石動浩は、松尾豊先生(東京大学大学院教授)からアドバイスを受け、DXに役立つデータが社内にあるかどうか探してみることに。
情報システム部で「宝の山」に見えるデータをたくさん入手しましたが、松尾先生からは「残念ながらほとんど使えないかもしれない」と言われてしまい……。利用できるデータ、利用できないデータの違いは何でしょうか。
以下、本書の抜粋からそのヒントを探っていきましょう。
現代社会において、コンピュータやスマートフォンなどの普及により、デジタル化されたものが増えました。営業担当者は、提案書を「Microsoft PowerPoint」で作成し、見積書を「Microsoft Excel」で作成することが一般的になりました。これらのコンピュータで作成される資料をデジタルデータと呼びます。
これらはコンピュータ上で編集ができ、簡単に複製もできるため、当然DXにも有効に使えるデータであると考える人が多いでしょう。ところが、デジタルデータであっても全てがそのまま使えるわけではありません。コンピュータにとって使いやすいデータは、構造化データと呼ばれる、規則性のある表形式でまとめられたデジタルデータに限られるのです。
一方で、デジタルデータであっても規則性がなく表形式に変換されていないものは、非構造化データと呼ばれ、これを使うためには変換に非常に手間がかかります。例えば、音声・画像・動画・センサーログ等が非構造データに当たります。これら非構造化データは、全く使えないわけではありませんが、データの分析やAIを作成することが困難になります。これを使えるようにするためには、一度表形式の構造化データに変換する必要があるためです。DXを始める前に、単にデジタルデータがあるだけでは、有効に活用することができないことを認識しておいてください。
新たな事業計画を整理したDX推進室のメンバーたち。石動は早速その計画を経営会議で発表するが……(続きは以下の書籍から)。
マンガでわかるDX
著者:小峰弘雅/岡田陽介/柴山吉報
監修:松尾豊/漫画:おうみ
SBクリエイティブ 1,496円
松尾豊氏監修! DXをマンガでやさしく解説!
「DXとはデジタル技術を使って新しい価値を生み出すことです」
「今までビジネスは”利益を最大化”することが求められてきました。
これからはデジタルで”速さを最大化”する時代がやってきているのです」
DXっていまいち分からない……
そんなあなたへ「今からDX始めるにはどうすればいいのか」をマンガでやさしく解説。
※この記事はSBクリエイティブ刊『マンガでわかるDX』から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部加筆編集の上、転載したものです(無断転載禁止)。
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DX推進室長の施策が“全否定”された納得の理由【マンガ】Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.