えっ、ボツですか? “宝の山”に見えたデータが「DXに使えなかった」残念すぎる理由【マンガ】『マンガでわかるDX』特別編集版(2)

DX推進室のメンバーたちはDXに利用できるデータを求め、情報システム部を訪れます。たくさんのデータを入手しましたが、松尾豊先生(東京大学大学院教授)からは「残念ながらほとんど利用できないかもしれない」と言われてしまいます。その理由は……?

» 2025年09月29日 07時00分 公開
[ITmedia]

 「DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しているが、なかなか成果が出ない」──そんな悩みを抱える中堅・中小企業は多いのでは。「何から取り組んだらよいのか迷っている」「そもそもDXに取り組む意義が分からない」という場合もあるかもしれません。

 本記事はSBクリエイティブ刊『マンガでわかるDX』(小峰弘雅、岡田陽介、柴山吉報 著、松尾豊 監修、漫画:おうみ)からDXで成果を出すためのポイントを紹介します。

あらすじ:DXに使える/使えないデータの違いは?

 なかなか成果が上がらず苦しんでいたDX推進室長の石動浩は、松尾豊先生(東京大学大学院教授)からアドバイスを受け、DXに役立つデータが社内にあるかどうか探してみることに。

 情報システム部で「宝の山」に見えるデータをたくさん入手しましたが、松尾先生からは「残念ながらほとんど使えないかもしれない」と言われてしまい……。利用できるデータ、利用できないデータの違いは何でしょうか。

 以下、本書の抜粋からそのヒントを探っていきましょう。


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【解説】構造化データと非構造化データ

 現代社会において、コンピュータやスマートフォンなどの普及により、デジタル化されたものが増えました。営業担当者は、提案書を「Microsoft PowerPoint」で作成し、見積書を「Microsoft Excel」で作成することが一般的になりました。これらのコンピュータで作成される資料をデジタルデータと呼びます。

 これらはコンピュータ上で編集ができ、簡単に複製もできるため、当然DXにも有効に使えるデータであると考える人が多いでしょう。ところが、デジタルデータであっても全てがそのまま使えるわけではありません。コンピュータにとって使いやすいデータは、構造化データと呼ばれる、規則性のある表形式でまとめられたデジタルデータに限られるのです。

 一方で、デジタルデータであっても規則性がなく表形式に変換されていないものは、非構造化データと呼ばれ、これを使うためには変換に非常に手間がかかります。例えば、音声・画像・動画・センサーログ等が非構造データに当たります。これら非構造化データは、全く使えないわけではありませんが、データの分析やAIを作成することが困難になります。これを使えるようにするためには、一度表形式の構造化データに変換する必要があるためです。DXを始める前に、単にデジタルデータがあるだけでは、有効に活用することができないことを認識しておいてください。


 新たな事業計画を整理したDX推進室のメンバーたち。石動は早速その計画を経営会議で発表するが……(続きは以下の書籍から)。

書籍紹介

マンガでわかるDX

マンガでわかるDX

著者:小峰弘雅/岡田陽介/柴山吉報

監修:松尾豊/漫画:おうみ

SBクリエイティブ 1,496円

松尾豊氏監修! DXをマンガでやさしく解説!

「DXとはデジタル技術を使って新しい価値を生み出すことです」

「今までビジネスは”利益を最大化”することが求められてきました。

これからはデジタルで”速さを最大化”する時代がやってきているのです」

DXっていまいち分からない……

そんなあなたへ「今からDX始めるにはどうすればいいのか」をマンガでやさしく解説。

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※この記事はSBクリエイティブ刊『マンガでわかるDX』から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部加筆編集の上、転載したものです(無断転載禁止)。

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