国内の会議支援AI市場は2025年度に前年度比35.1%増と急伸した。汎用(はんよう)の生成AIツールでも議事録を作成できるのに、なぜ会議支援AIのニーズは伸び続けるのか。ITRの調査が示す、需要の変化とは。
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ITコンサルティングと調査を手掛けるアイ・ティ・アール(以下、ITR)は2026年9月3日、国内の会議支援AI市場規模推移および予測を発表した。
会議支援AI市場の2025年度の売上金額は100億円で、前年度比35.1%増だった。ITRは2026年度も引き続き高い成長率を見込み、2025〜2030年度のCAGR(年平均成長率)を29.2%と予測している。
汎用(はんよう)の生成AIツールでも議事録を作成できるのに、会議支援AIツールのニーズが伸び続けるのはなぜか。ITRは市場拡大の背景を次のように説明する。
ITRによると、音声認識技術と生成AIの進展を背景に、会議支援AIの導入機運は着実に高まっているという。従来は会議内容の文字起こしを中心とした、記録業務の効率化が主な目的だったが、現在では要約生成や論点整理、タスク抽出などの高度な機能が備わり、意思決定を支援するツールへと進化しているという。こうした流れを踏まえ、今後も市場はさらに拡大を続けるとITRはみている。
ITRの舘野真人氏(プリンシパル・アナリスト)は、会議支援AIに求められる役割が、記録の自動化から、蓄積された会議データを起点とする意思決定の支援へと移りつつあると指摘する。
「決定事項を業務システムやタスク管理ツールに引き渡し、その進捗(しんちょく)まで追跡できるようになれば、会議は業務プロセスの一部として管理可能になる。今後は、既存の業務アプリケーションとの連携や社内情報の検索や参照の範囲が、製品やサービスの差別化要素になると思われる。ユーザー企業は、会議情報をどの業務につなぐかという観点から要件を定める必要がある」(舘野氏)
なお、今回の調査における会議支援AIは、オンラインと対面での会議や面談などの音声をリアルタイムまたは録音データから文字起こしし、発言内容の要約、議事録の自動生成、決定事項やアクションアイテムの抽出、多言語翻訳、話者識別、キーワード検索、会議録の再生や共有などの機能を提供する製品やサービスを指す。AI議事録作成ツール、会議アシスタント、会議検索・ナレッジ化プラットフォームなどを含み、音声API・SDK単体、汎用翻訳エンジン単体は対象外としている。
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