ホットな上海でOracle OpenWorld開幕、「Unbreakable Linux」としてAsianuxもサポート
梅雨明けの猛暑が続く中国・上海で7月20日、「Oracle OpenWorld Shanghai 2004」が開幕した。Oracleは、アジア太平洋地域でLinuxの採用を加速させるべく、「Asianux」上でOracle 10gの動作検証を済ませたことを発表している。
「Oracle OpenWorld」──なつかしい名前が帰ってきた。1994年、東京発で世界展開が始まったこのカンファレンスは、Oracleデータベースに的を絞ったOracleWorldとして開催されてきたが、再び「Open」の名を冠し、今やアジア経済の中心地になろうとしている上海でその再スタートを切る。
東京と同様、梅雨明けの猛暑が続く中国・上海で7月20日、「Oracle OpenWorld Shanghai 2004」が開幕した。中国での開催は、2002年のOracleWorld Beijing(北京)以来2年ぶり。摩天楼がそびえる上海・プートン地区のインターナショナルコンベンションセンターには22日までの3日間で、北京の4000人を大きく上回る6000人の顧客やパートナーらが詰め掛ける。
日本を含むアジア太平洋地域において、Oracleは2万社以上の顧客を抱え、新規ライセンス売り上げの約2割をこの地域から稼ぎだしている。堅牢なシステムを構築するReal Application Clusters(RAC)の採用も500社を超えている。
中でも世界人口の約2割(12億人)を占める中国は、Oracleにとって巨大市場で顧客も6000社に上る。政府による抑制で爆発的な成長にブレーキがかかっているものの、それでも8%台の高い経済成長が持続するとみられている。1989年、テクノロジーベンダーとしては早い段階から中国に参入したOracleは、現在600人以上の社員を雇用し、200社のパートナーと市場開拓を進めている。
「Linuxとグリッドによるローコストコンピューティングへの需要が、特にアジア太平洋地域で増している」と話すのは、この地域を統括するデレク・ウイリアムズ執行副社長。世界有数の浦項製鉄(POSCO)もE-Business SuiteのプラットフォームとしてLinuxの採用を進めているという。
主要ITベンダーもAsianuxをサポートへ
Oracleは、今回のカンファレンスでアジア太平洋地域でLinuxの採用を加速させるべく、「Asianux」上でOracle 10gの動作検証を済ませたことを発表している。Oracleでは、2002年6月からLinuxでも堅牢なシステムが構築できるよう支援する「Unbreakable Linux」サポートプログラムをスタートさせており、Asianuxの認定はRedHat LinuxおよびSuSE Linuxに次いで3番目。米国のRed Hat、欧州のSuSE、そしてアジア太平洋地域においては「最初で唯一標準化されたLinux」として動作検証を実施し、Asianuxに対してもコードレベルでの問題解決をOracleが図っていくことになる。
Asianuxは、中国のRed Flagとミラクル・リナックスが、RedHat Linuxをベースとし、OracleのChina Development Center(北京)で共同開発したもの。両社は6月、Asianux 1.0の商用リリースを発表している。
この日、AMD、Dell、Hewlett-Packard、Langchao(浪潮)、NEC、およびSunの6社もアジア向けLinuxの標準として動作検証を行い、Asianuxの普及を支援していくことを明らかにした。
ミラクル・リナックスの佐藤武社長は、「Oracleおよび主要インフラベンダーからのサポートが提供されることによって、アジア地域の顧客企業は、エンタープライズクラスのLinuxを展開していくうえでさまざまなハードウェアとソフトウェアの選択肢が得られる」と話している。
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