ユーザー企業はグループウェアの必要性を認識――「CYBOZU AWARD 2009」:そろいのハッピで不況を打破?
サイボウズは2008年度に高い導入実績を挙げた企業を「CYBOZU AWARD 2009」で表彰。受賞企業は「不況の中でも、ユーザー企業はグループウェアの必要性を認識している。決してIT投資の意欲は低くない」とコメントした。
不況でもユーザー企業は情報伝達の重要性を認識
サイボウズは3月5日、ユーザー企業に対し、2008年度に顕著な導入実績を挙げた企業を表彰する「CYBOZU AWARD 2009」を公表。前日の3月4日には、パートナー企業を一堂に集め表彰式を開催。軽食やアルコールが供される和やかな雰囲気で進行し、そろいのハッピ姿のサイボウズスタッフが会を盛り上げた。
調査会社のリポートによると、サイボウズは国内グループウェア市場においてトップシェアを記録している(ノークリサーチ調べ)。当初サイボウズでは、自社サイトを通じた直販を行っていたが、販路拡大のためパートナー制度を導入。2005年には現行のパートナー制度「サイボウズ オフィシャルパートナー プログラム」が確立した。なお「CYBOZU AWARD」は昨年度からの施策となる。
サイボウズのオフィシャルパートナーは、販売実績などによりプラチナ/ゴールド/シルバーに分類される。全パートナーにおける販売金額トップの企業に加え、今回は「優秀賞」として、上記各カテゴリごとにパートナー企業を選出した。また企業だけでなく、「個人」も選定対象とした。
シルバーパートナーとして優秀賞に選ばれたイシマルは、長崎県に拠点を置く地場のシステムインテグレーター。出席した担当者は「われわれが開催したセミナーに青野社長が自ら参加してくれ、ブースの運営や来場者へのデモなどを1人でこなしてくれた。こういったパートナー重視の姿勢が、サイボウズ製品の拡販につながっているのではないか」と話す。またパートナー・オブ・ザ・イヤーとなった大塚商会の担当者は取材に対し「確かにユーザー企業内での景気の見通しは悪い。だが同時に、情報共有インフラとしてのグループウェアの必要性はユーザーのだれもが認識している。例えばガルーンは決して価格が安い製品ではないが、操作性や情報伝達の確実性がユーザーの中で評価され、導入につながっている」とコメントした。
受賞一覧は次のとおり。
賞 | 受賞企業、受賞者 | 選定基準 |
---|---|---|
パートナー・オブ・ザ・イヤー | 大塚商会 | 年間販売金額トップのパートナー企業 |
サイボウズ・アワード優秀賞 | NEC(プラチナ)、NECソフト(ゴールド)、リコーテクノシステムズ(ゴールド)、イシマル(シルバー)、エアネット(ASP) | 前期比販売額増加率と販促活動 |
セールスアドバイザ・オブ・ザ・イヤー | 稲葉佳代(富士通エフサス) | 年間を通じて際立った販売実績を残したSA(サイボウズ製品の販売スペシャリスト)認定者 |
システムコーディネータ・オブ・ザ・イヤー | 矢崎 晃(日立システムバリュー) | 年間を通じて際立った構築/サポート実績を残したSC(サイボウズ製品の構築スペシャリスト)認定者 |
ボウズマン・オブ・ザ・イヤー | 内田洋行 | 新たなチャレンジと顕著な実績を挙げたパートナー企業 |
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