富士通、PCや携帯電話から利用する新ネットワークサービスを発表:携帯向けに画面変換も
富士通は、企業向けネットワークサービス「FENICS II」を利用したモバイルアクセスなどのサービスを6月下旬から順次始める。
富士通は4月20日、企業向けモバイルアクセスサービス「FENICS IIユニバーサルコネクト」を発表した。リモートアクセスやコンテンツ変換などのメニューを6月下旬から順次始める。
同サービスは、企業向けネットワーク「FENICS II」を利用して、モバイル環境からPCや携帯電話でイントラネットやコンテンツサービスにアクセスする際に認証やコンテンツ変換などの機能を提供するもの。従業員が社外からイントラネットにアクセスできる環境を容易に構築したいという企業や、会員制のコンシューマー向けサービスを提供する企業などでの利用を見込む。
メニューは、ID管理をWebのポータル画面から行える基本サービス、PCや携帯電話、スマートフォンからイントラネットにアクセスするためのリモートアクセスサービス、PC向けのWebコンテンツを携帯電話の端末ごとに合わせて変換するモバイルコンテンツ変換サービスの3種類。
基本サービスでは、FENICS IIを利用するためのIDやパスワードと自社のアクセス権限を連携でき、ポータル上で新規登録や変更、削除の操作をユーザー単位やグループ単位で行える。認証では、IDとパスワードのほかに端末ID、端末環境(ソフトウェアやハードウェアなどの構成)でユーザーを特定する仕組みを利用できる。コンテンツ変換では、携帯電話およびPHS事業者が提供する端末ごとに画面表示を最適化でき、画像表示の有無やサイズ調整などの処理を自動的に行えるのが特徴だという。
PC向けコンテンツ変換を自動変換するデモ。例えばPC版で出社時間をキーボード入力する仕組みにしていても、モバイル向けにはプルダウンで選択できる。単にレイアウトを変えるだけでなく、操作性も考慮した内容にできる
ネットワークサービス事業本部の香川進吾本部長代理は、「内部統制やコンプライアンスに基いて、システムやサービスにアクセスするユーザーが誰であり、どのように利用しているかを可視化できるのが特徴」と説明した。
同社では今後、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)形態で提供されるアプリケーションやUQコミュニケーションズなどが提供する「モバイルWiMAX」、ウィルコムの新型PHSサービス「WILLCOM CORE」などに対応していく。
「シングルサインオン認証などクラウド環境に対応する部分では、業務プロセスとアクセス権限の定義化などでスムーズに行かない部分もあるが、われわれが代理認証の仕組みを用意するなどしてクラウド環境に対応できるようにしたい」(同氏)
各メニューの開始時期は、モバイルコンテンツ変換サービスが6月下旬、リモートアクセスサービスが7月上旬、基本サービスが10月中旬。価格は個別見積り。参考価格は、500台の携帯電話でリモートアクセスできるようにする場合で1ユーザーあたり月額4000円程度になる。同社の試算では、自社でリモートアクセスのシステムを構築する場合に比べて、初期費用で25%、運用費用で40%のコスト削減効果が見込めるとしている。
同社では新サービスで年間100億円程度の増収を見込んでいる。
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