デスクトップ仮想化ソフトが活況 年平均62.1%の高成長に:IDC Japan調べ
クライアント環境を仮想化するソフトやサービスの市場が急拡大しそうだ。IDC Japanによると、デスクトップ仮想化ソフトを中心に企業の採用が拡大し、同サービスの市場規模は年間平均33.9%で成長する。
調査会社のIDC Japanは4月20日、ライアント仮想化サービスの市場規模が年間平均33.9%で成長すると発表した。デスクトップ仮想化ソフトウェアを中心に企業での採用が増え、クライアント仮想化サービスの累積導入数は2013年に31.8%に上る見通しだ。
IDCは2008年における同市場の規模は855億円、2013年には3678億円に達すると予測している。2008年から2013年までの年間平均成長率は33.9%に達する。同サービスの中核をなすクライアント仮想化ソフトウェア市場が市場規模の拡大をけん引する。出荷されるライセンス数は2008年が48万で、2013年には127万に上るとみている。
デスクトップ仮想化ソフトウェア市場はさらに活況だ。VMwareやCitrix、Microsoftなどの参入で勢いが増しており、2013年まで年間平均62.1%の高い成長率で推移する。これに伴い、2013年までの累積導入率は、企業向けクライアントPCの稼働台数に対して31.8%に拡大する。
一方、シンクライアント端末の出荷台数は、2008年が前年比4.4%増の約12万台。金融危機による景気後退の影響を受けたことで、ほかの仮想化サービスよりも成長に勢いがない。出荷が回復基調になるのは2010年後半で、2013年には出荷台数が46万台を超えるとIDCは見る。
同社は今回の調査においてクライアント仮想化サービスを、シンクライアント端末、クライアント仮想化ソフトウェア、関連サービスなどを含むものと定義している。
関連記事
- デスクトップ仮想化を過小評価するMicrosoft
Microsoftは仮想デスクトップは大規模実装には合わないとしているが、同社はファットクライアントを使ってもらうことで恩恵を受ける立場にある。 - Sun、無料仮想化環境「VirtualBox」の新版でOVFをサポート
標準規格OVFをサポートすることにより、VMware、Microsoft、Parallels、XenSourceなどの仮想化技術と互換になった。 - Red Hat、KVMベースの仮想化戦略を発表
Red HatはKVMをベースにした仮想化製品のポートフォリオを明らかにした。最初の製品は2009年中旬にリリース予定だ。 - CitrixがXenDesktopの新バージョンをリリース
CitrixのXenDesktopの新バージョンは、オフィスワーカーがデスクトップ仮想化を簡単、安価に利用できるようにするのが狙いだ。1台のサーバがサポートするデスクトップの数が増えたほか、マルチメディア/音声配信機能も改善された。同社はエンドツーエンドの仮想化ソリューションでVMwareとの差別化を図る考えだ。 - 米Citrix、マルチメディア性能とデバイス対応を強化した「XenDesktop 3」
Citrixはデスクトップ仮想化ソリューション「Citrix XenDesktop 3」をリリースした。圧縮ストリーミング技術を搭載し、音声や動画などの性能を強化した。 - Citrix、クライアント側ハイパーバイザー開発へ
Citrix Systemsは「XenDesktop」を発展させたデスクトップ仮想化ビジョンを発表した。Intelと提携し、クライアント側のハイパーバイザーを開発する。 - 米Sun、3Dグラフィックに対応した「xVM VirtualBox」最新版
米Sunは、グラフィックスやネットワークパフォーマンスなどを強化した、デスクトップ仮想化技術の最新版を発表した。「Google Earth」などのOpenGL対応アプリケーションを動かせる。 - IBM、Linuxベースの仮想デスクトップを提供開始
IBMが「Microsoft不要」の仮想デスクトップ製品の提供を開始。管理コストを大幅に削減できるという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.