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AIXのLVM機能を使い、RAID 0+1を構成する:UNIX処方箋
現場ですぐに役立つ知識を欲するあなたに贈る珠玉のTips集。今回は、AIX 5.xのLVM機能を用いて、RAID 0+1環境を構成する手順について解説します。
AIX 5.xのLVM機能を用いて、RAID 0+1環境を構成したいと考えています。通常の論理ボリュームのミラーリングと手順は異なるのでしょうか? 具体的な手順を教えてもらえますか?
手順としては、後記のようになります。
- RAID0+1を構成する物理ボリュームを同一のディスクグループに登録する
- 論理ボリュームをRAID0で作成する。このとき、物理ボリュームも指定する必要がある
- 作成した論理ボリュームにファイルシステムを作成する
- ボリュームグループのミラーリングを行うことでRAID 0+1を実現する
具体的な構成例として、物理ボリュームhdisk4、hdisk5、hdisk6、hdisk7の計4つを使って以下の環境を作り、/testとしてマウントするまでの手順を解説します。
ボリュームグループ:testvg
論理ボリューム:testvol(hdisk4、hdisk5のストライプ)
testvol用ミラーボリューム:hdisk6、hdisk7
AIXの慣習に従って、ボリュームグループ名の末尾にはvgを、論理ボリューム名の末尾にはvolをつけています。
物理ボリュームをボリュームグループに追加
まず、テキストベースのシステム管理ツールsmittyにおいて次の順番でメニューをたどり、表1のように設定します。
- [システム記憶域管理(物理および論理記憶域)]-[論理ボリューム・マネージャー]-[ボリューム・グループ]-[ボリューム・グループの追加]-[オリジナル・ボリューム・グループの追加]
パラメータ | 設定内容 | 説明 |
---|---|---|
ボリュームグループ名 | testvg | ボリュームグループの名前を指定。ここでは先に決めた「testvg」としている |
物理区画サイズ | 任意 | 物理区画サイズ(PP size)は、後述する論理ボリューム(PV)を作成する際の単位(unit)になる。とくに指定がない場合は、空白で構わない。ディスクのサイズに合わせて、システムが自動的に適切な値を指定する。また設定できる値は、1〜1024Mバイトの間で指定できるが、2の倍数で指定する必要がある |
物理ボリューム名 | hdisk4、hdisk5、 hdisk6、hdisk7 | 使用するディスクボリューム名(hdisk*)を指定 |
表1 物理ボリュームをボリュームグループに追加する際の設定
hdisk4とhdisk5のストライピング論理ボリュームを作成
smitty上で次のようにメニューをたどり、表2のように設定します。
- [システム記憶域管理(物理および論理記憶域)]-[論理ボリューム・マネージャー]-[論理ボリューム]-[論理ボリュームの追加]
パラメータ | 設定内容 | 説明 |
---|---|---|
ボリュームグループ名 | testvg | 表1で作成したボリュームグループを指定 |
論理ボリューム名 | testvol | 任意のボリューム名を指定する(ここではtestvol) |
論理区画の数 | testvgの全体物理パーティション(PP)から2PP引いた数 | testvgの全体物理パーティション数は、lsvgコマンドの出力結果(TOTAL PPs/FREE PPs)の値で確認できる |
物理ボリューム名 | hdisk4、hdisk5 | 物理ボリュームを指定する。指定しない場合、ボリュームグループに含まれるすべての物理ボリュームが対象となるため、RAID O+1を構成できなくなる点に注意が必要 |
物理ボリューム・タイプ | jfs2 | 使用するファイルシステムを指定(ここではjfs2) |
ストライプ・サイズ | 64K | 4K〜128Kの間の任意の値を指定できる(ここでは64Kとした)。またこの数値は4の倍数で指定する必要がある。「Not Striped」を指定するとストライプにはならないことに注意 |
表2 ストライピング論理ボリューム作成時の設定
ファイルシステムの作成
smittyで次のようにメニューをたどり、表3の内容を設定します。
- [システム記憶域管理(物理および論理記憶域)]-[ファイルシステム]-[ファイルシステムの追加/変更/表示/削除]-[拡張ジャーナル・ファイルシステム]-[拡張ジャーナル・ファイルシステムを事前定義済み論理ボリュームに追加]
パラメータ | 設定内容 | 説明 |
---|---|---|
論理ボリューム名 | testvol | 表2で作成した論理ボリューム名を指定 |
マウントポイント | /test | 任意のマウントポイントを指定 |
システム再始動時に自動的にマウントする | 「はい」または「いいえ」 | OSの起動時に自動的にマウントするかどうかを指定 |
ログの論理ボリューム | INLINE | 通常は別パーティションに作成されるが、ここではストライピングを用いるために論理ボリューム(testvol)内に含むとしている |
インライン・ログ・サイズ(MB) | 1PP分 | ジャーナルログの領域を指定(最小で1PP分必要)。なお今回はsmittyを使用しているが、コマンドラインでログサイズを指定せずに作成した場合、ログサイズはファイルシステムの4%が自動的に確保される |
表3 ファイルシステム作成時の設定
論理ボリュームtestvolのミラーリングを作成
smittyから次のようにメニューをたどり、表4の内容を設定します。
- [システム記憶域管理(物理および論理記憶域)]-[論理ボリューム・マネージャー]-[ボリューム・グループ]-[ボリューム・グループのミラーリング]
パラメータ | 設定内容 | 説明 |
---|---|---|
ボリューム・グループ名 | testvg | 表2で作成したボリュームグループを指定 |
ミラー同期モード | バックグラウンド | バックグラウンドを選択 |
物理ボリューム名 | hdisk6、hdisk7 | ミラーリング先の物理ボリュームを指定 |
各論理区画のコピーの数 | 2 | いくつミラーを作成するかを指定(最大3面) |
正確なLVマッピングを作成する | はい | 各PPの位置も正確にミラーリングする |
表4 ミラーリング作成時の設定
ファイルシステムのマウント
「mount /testvol」コマンドを実行し、作成した論理ボリュームtestvolをマウントします。
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