Google幹部、Outlook同期化問題やクラウドサービスを語る:Google Apps担当者インタビュー(3/3 ページ)
Google Apps担当シニアプロダクトマネジャー、ラジェン・シェス氏は「当面はエンタープライズアプリを提供する計画はない」「Google AppsとMicrosoft Outlookプラグインの相互運用性改善に向けた取り組みは順調」などと語った。
特定のプラグインと少し相性問題があるのは確かですが、この最初のバージョンでわれわれが重視したのは、メール、連絡先、カレンダーの利用環境が、ユーザーがOutlookで慣れている機能とうまくかみ合うようにすることです。これはユーザーがこれまで使い慣れた機能を大きく拡張するものです。当社の動きを見れば分かると思いますが、われわれは製品を早期にリリースし、それから少しずつ改良を重ねながら連係機能を改善することにより、現在の不具合を修正するつもりです。Outlookとの連係は大きな前進であり、顧客獲得の妨げになっていた多くの障害が取り除かれました。
―― つまり、Google Apps Sync for Microsoft OutlookプラグインがWindows Desktop Searchを無効にするという問題は、まだ解消されていないということですか。
シェス 今のところ、それはこのツールの問題として残されています。Outlook自体に組み込まれている検索機能は動作しますが、現時点で動作しないプラグインが幾つかあり、われわれはこれらの問題の修正作業を進めています。Outlookを使ったメールの管理、カレンダーのフル機能の利用、グローバルアドレス帳の参照、連絡先の管理といった主要機能に関しては、まったく問題がありません。
―― これは、Google Appsの基盤となるクラウドベースのアーキテクチャと、オンプレミス環境向けに開発されたWindowsとの間のギャップを埋める取り組みにおける最大のチャレンジですか。
シェス 最大の課題は、長年にわたって拡張されてきた環境との連係を実現することです。直ちに取り組める問題もあれば、時間をかけて徐々に解決しなければならない問題もあります。これについては、多くのユーザーの意見を聞いています。Outlookと連係したGoogle Appsに乗り換えるためには、どんな機能が必要なのかを質問すると、常にメール、カレンダー、連絡先という答えが返ってくるのです。ユーザーがこういった機能をワークフローの中でどのように使うかを、われわれがきちんと押さえることができれば、移行の妨げとなる障害は取り除かれるでしょう。
―― この問題を修正するのに、MicrosoftのOutlookチームがGoogleに協力していると聞いて驚きました。Outlookのユーザーベースから顧客を奪うことを狙った製品でMicrosoftがGoogleに協力するというのが、どうにも信じられません。なぜそんなことがあり得るのでしょうか。
シェス この問題を解決することが、間違いなく両社の利益になるからです。Outlookが好きなユーザーはたくさんいます。われわれはその事実を拒むのではなく、受け入れられるようになりたいのです。これは当社のアプリケーションの利用を進めている企業で聞いた話ですが、大半のユーザーはGmailを使い始めると、それが好きになるというのです。Webベースのインタフェースがユーザーに好まれるのです。
しかし10年あるいは15年にわたってOutlookを使ってきて、今さら変えたくないというユーザーもいます。こういった少数派の声が大きいために、全社的な導入計画が取りやめになる可能性もあります。このため、すべてのユーザーを満足させることが、われわれにとって最大の利益になるのです。Microsoftの場合も、同社のツールを使ってこういうこともやりたいという顧客のニーズに応えることが、彼らの最大の利益になるのです。
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