定義ファイルを持たない無償ウイルス対策製品、Pandaが正式公開
Panda Securityは、オンライン上のデータベースを利用して不正ファイルの検出・駆除を行う無償ツール「Panda Cloud Antivirus」を個人向けに正式公開した。
スペインのセキュリティ企業Panda Securityは11月11日、オンライン上のデータベースを利用するウイルス対策ツール「Panda Cloud Antivirus 1.0」を個人向けに無償公開した。
同ツールはクライアントマシン上に定義ファイルを持たず、同社のデータベース「Collective Intelligence」を利用して不正ファイルの検出と駆除を行う。メモリ消費量が最大で20Mバイト程度で、クライアントマシンのパフォーマンスに与える影響が少ないのが特徴。
同社によると、Collective Intelligenceには約25テラバイトにおよぶ4800件のファイル情報が登録されている。内訳は56%がマルウェア、23%が正規ファイル、5%が不審なファイル、23%が分類の難しい(破損など)ファイルとなっており、ユーザーが入手したファイルの危険性をこれらの情報を参照して対処する仕組みとなる。
4月から実施したβ版テストでは、1ユーザー当たり1日に1252件のファイル照合があったが、使用した帯域は平均127Kバイトで、通常利用でのパフォーマンスに影響しないことが確認された。ユーザーから1日に提供されるサンプルファイルは6万1000件で、このうち5万件がマルウェアに分類されるという。52%は24時間以内に感染が沈静化するものだといい、同社では定義ファイルによる検出、駆除よりも迅速にこれらの脅威をブロックすると説明している。
対応OSはWindows XP、Vista、7で、対応言語は英語など11カ国語。日本語版は今後リリースする予定だという。同社では常時接続でコンピュータを利用するユーザーに適したサービスだといい、オフライン環境を含めたウイルス対策やパーソナルファイアウォール、アンチスパムなどより高度なセキュリティ対策を求めるユーザー向けには有償版製品の利用を推奨している。
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