Oracle、SPARCと「Solaris 11」の計画を明らかに(2/2 ページ)
OracleがSun買収で獲得した資産に関するロードマップを、Sunでハードウェアビジネスの責任者を務めていたジョン・ファウラー氏が説明した。
Sunに関するOracleの方針は間違っていないと指摘するアナリストもいる。米調査企業Insight64のアナリスト、ネイサン・ブルックウッド氏によると、Oracleは利益につながる可能性が低いとみられるSunのプロジェクト(「Rock SPARC」プロセッサの開発など)を中止し、プロセッサの設計プロセスも簡素化したという。
「Oracleに身売りしたことで、Sunはこれまで欠落していたフォーカスを強化できるようになった」とブルックウッド氏は語る。
それはSPARCプロセッサのロードマップにも見て取れると同氏は話す。ファウラー氏によると、Oracleは同プロセッサの2015年までの計画を策定したという。「これらの新プロセッサの第一弾は既にテープアウトし、それを搭載した製品は18〜24カ月後に登場する見込みだ」とブルックウッド氏は話す。
ファウラー氏はプレゼンテーションの中で、「Oracleは2つのサーバ製品シリーズでSPARCを採用する予定だ。1つは省エネタイプのT Series、もう1つはミッションクリティカルなハイエンドのM Seriesサーバだ」と述べた。
同氏によると、5年以内にSPARCプロセッサのトランザクション処理能力は現在の40倍になる見込みで、128コア、1万6384スレッドまで拡張可能になるという。現在のSPARCプロセッサは最大512スレッドまでサポートできる。
「われわれは非常にアグレッシブなロードマップを作成した」とファウラー氏は語った。
Oracleは、米Intelのプロセッサで動作するx86ベースのラックサーバとブレードサーバも引き続きサポートする方針だ。「今後も、x86市場向けにブレードサーバとラックサーバシステムを積極的に開発するつもりだ」と同氏は話す。
ブルックウッド氏によると、これはOracleによるSun買収を評価できる分野の1つだという。SunはIntelと米AMDのプロセッサで動作する多数の種類のx86サーバ製品を提供していたものの、広範な製品群をサポートできるだけの出荷数に達していなかった。
Oracleはx86市場では、1コア当たりのパフォーマンスに優れたIntelプロセッサだけを採用する方針だ。ブルックウッド氏によると、OracleはMicrosoftのようなソケット単位ではなく、コア単位でソフトウェアをライセンスしているため、これは重要なポイントだという。
2011年に発表予定の「Solaris 11」は、Sunが2004年にSolaris 10を発表して以来のメジャーリリースとなるもの。Solaris 10はリリース以来、何度もアップデートされており、ファウラー氏によると、Sunは今後も同OSをサポートする予定だという。
「現在のSolarisが備える標準機能を拡張し、OSのほとんどすべての分野にわたって大幅な改善を加えるつもりだ」とファウラー氏は話す。
ファウラー氏は、新OSにおける主要な改善分野として、拡張性、保守性、セキュリティ、ファイルシステムを挙げている。
またOracleは今後も、仮想化技術のOracle VMをサポートする方針だ。Oracle VMは、SPARCベースのシステム上でWindowsやLinux環境(Oracle Enterprise Linuxを含む)を稼働できるようにする。
ストレージ分野でも、Oracleは今後も改良を続けるつもりだとファウラー氏は話す。例えば、テープストレージの容量を現在の1Tバイトから2015年には20Tバイトに増加する予定だという。
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