HP、セキュリティ企業のArcSightを約15億ドルで買収
3PARを24億ドルで獲得したばかりのHPが、今度はArcSightを15億ドルで買収すると発表した。クラウドコンピューティングに欠かせないセキュリティ事業を拡充する狙いだ。
米Hewlett-Packard(HP)は9月13日(現地時間)、セキュリティ管理企業の米ArcSightを買収することで合意に達したと発表した。買収は1株当たり43.50ドルの現金による株式公開買付で行われ、総額は15億ドルに上る。取引は年内に完了する見込みだ。
ArcSightは2000年創業、2008年に株式公開したカリフォルニア州クパチーノに拠点を置くセキュリティソフト企業。企業や政府機関向けに、サイバー脅威やリスクを検知・軽減するセキュリティおよびコンプライアンス管理ソリューション「ArcSight」を提供している。ArcSightは、各種ネットワークデバイスからログを収集し、相関分析を行った上で不正検知の有無を判断するセキュリティ統合管理システム。ファイアウォールやIDS(不正侵入検知システム)、ルータやサーバなど、機種やメーカーを問わずにログを収集し、リアルタイムに各デバイス間の相関分析を行うことができるという。顧客として政府機関のほか、Verizon、Xerox、三菱東京UFJ銀行など多様な業種の企業を持つ。また、HP、IBM、Juniper、Oracle、Unisys、住商情報システムなどが同社製品を扱うパートナー企業になっている。
HPは、ArcSightの製品をHPのソリューションに統合することで、リアルタイムの監視、リスク評価、迅速な対処を可能にするセキュリティプラットフォームを企業顧客に提供できるとしている。
HPはクラウドコンピューティングサービスを包括的に提供するための体制を強化しており、8月にはアプリケーション自動化ソフトのStrataviaを、9月に入って外部記憶装置メーカーの3PARを買収している。
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