GoogleのITA買収を米司法省が条件付きで承認
米司法省が、GoogleによるITAの買収を承認すると発表した。同社は充実した旅行関連検索サービス「Bing Travel」を持つMicrosoftに対抗するサービス構築を急ぐ。
米Googleは4月8日(現地時間)、同社が昨年7月に発表した航空運賃の検索・比較サービス企業ITA Softwareの買収を、米司法省が承認したと発表した。
GoogleはITAの検索・比較サービスを同社のサービスに統合することで、例えば「5月に500ドル以下で行けるどこかリゾート地の航空券」といった検索で、最適な検索結果を提供できるようにするという。
この買収をめぐっては、ITAの航空チケット検索・比較ソフトなどを採用している米Kayak.comをはじめとする旅行関連サイトらが米司法省に対し、差し止めるよう申し立てていた。
司法省は買収を承認するに当たり、幾つかの条件をGoogleに提示した。ITAがこれまで外部のWebサイトに提供してきたソフトウェアの提供を適正な条件で継続し、こうしたソフトウェアをITAが開発し続けられるよう投資することや、ITAのユーザー情報をGoogle社内で無許可で利用できないようファイアウォールを設置することなどだ。
Googleはこれらの条件をすべて受け入れ、ITAは顧客企業との契約を2016年まで更新した。同社は可能な限り早く手続きを完了させ、ITAの従業員と製品の統合を開始するとしている。旅行関連検索機能では、米MicrosoftのBing TravelがGoogleを一歩リードしている観があるが、この買収で追い上げられる可能性がある。Microsoftは3月に、ITAの検索エンジンを利用しているKayak.comとの提携を発表した。
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