富士通とMicrosoft、クラウドサービスを大幅強化
Windows Server 2012 R2を含む3種類の新サービスを追加する一方、2011年から提供するAzureベースのサービスなどを刷新するという。
富士通は11月20日、米Microsoftとの協業で提供している企業向けクラウドサービスへの取り組みを大幅に強化する方針を発表した。新たに3つの新サービスを提供するとともに、既存サービスの一部などは提供体制を含めてリニューアルする。
2社は、2011年からWindows Azureベースのクラウドサービス「Fujitsu Global Cloud Platform FGCP/A5 Powered by Windows Azure」を富士通のデータセンターから提供するなど協業関係を構築している。富士通は今回の施策において、Microsoftが推進する「クラウドOSビジョン」を実現するサービスや製品をフルラインアップし、ハイブリッドクラウドへの取り組みを強化すると表明した。
新たに立ち上げるサービスは、プライベートクラウドの「FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted A5+ for Windows Server」、コミュニケーションの「FUJITSU Cloud エンタープライズコミュニケーションサービス」、クラウド統合監視の「FUJITSU Cloud Integration Service マルチクラウド統合監視サービス」の3種類。
FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted A5+ for Windows ServerではWindows Server 2012 R2およびSystem Center 2012 R2に対応したプライベートクラウドサービスを富士通のデータセンターから提供するもので、Hyper-Vベースの仮想環境を仮想マシン単位や物理マシン単位で月額定額によって利用できるという。
FUJITSU Cloud エンタープライズコミュニケーションサービスではExchangeやSharePoint、Lyncのクラウドサービスに、運用やサポート、メールアーカイブ、スパム対策などのオプションサービスを組み合わせて提供する。FUJITSU Cloud Integration Service マルチクラウド統合監視サービスではオンプレミスやクラウドを含めたマルチベンダー環境下での統合監視・運用を可能にするとしている。
なお、2011年8月から富士通のデータセンターで提供しているパブリッククラウドの「FUJITSU Cloud PaaS A5 for Windows Azure」は、マイクロソフトが国内に開設する予定のデータセンターに提供元を変更し、同社から日本語サポートやソフトウェア、運用など24種類の付加サービスが提供される。併せてマイクロソフトと富士通の双方のデータセンター間にネットワークを敷設し、マイクロソフトのデータセンターにあるパブリッククラウド環境と富士通のデータセンターにあるプライベートクラウド環境をハイブリッドに運用できるようにする。
また、両社では開発した垂直統合型マシン「FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks」ではWindows Server2012 R2およびSystem Center2012に対応させると同時に、FUJITSU Cloud PaaS A5 for Windows AzureやFUJITSU Cloud IaaS Private Hosted A5+ for Windows Serverと連携するための機能を追加し、オンプレミスとクラウドによるハイブリッド運用への対応を図る。
今回の富士通の施策に対し、Microsoftサーバー & ツールズ マーケティング グループ コーポレート バイスプレジデントの沼本健氏は、「当社のプラットフォームをベースにした富士通のソリューションにより、顧客のハイブリッドクラウドコンピューティングの導入と利点の活用が促進されるものと期待している」とコメントしている。
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