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「MacBook Air」に2020年モデル登場 2019年モデルと何が違う?

» 2020年03月29日 15時00分 公開
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 Appleのパソコン「Mac(Macintosh)」の中で、一番人気を集めているのが薄型ノートタイプの「MacBook Air」です。持ち運びやすさはもちろんですが、数あるMacの中で一番手頃であることが多くの人たちの支持を集めています。

 3月18日、そんなMacBook Airに2020年モデルが登場しました。ぱっと見ると、2019年7月に発売された2019年モデルと変わりないようにも思えます。しかし、実は変わった所が幾つかあります。どのような進化を遂げたのか、チェックしてみましょう。

何が違う 上が2020年モデル、下が2019年モデル。一体どこが変わったのでしょうか……?

大きく変わった「CPU」と「GPU」

 MacBook Airの2020年モデルは、Appleとしては“フルモデルチェンジ”という位置づけです。見た目は2019年モデル(と、そのベースとなった2018年モデル)から大きく変わったポイントが2つあります。

 その1つが、パソコンの頭脳に相当する「CPU」です。2019年モデルでは「第8世代Intel Coreプロセッサ」を採用していましたが、2020年モデルでは最新の「第10世代Intel Coreプロセッサ」を採用しています。一気に2世代も新しくなっています。

ロゴ MacBook Airの2020年モデルは、最新の第10世代Coreプロセッサを搭載しました

 第10世代Coreプロセッサは大きく2種類ありますが、新しいMacBook Airが採用したのは、「Ice Lake(アイスレイク)」という開発コード名を持つものです。

 Ice Lakeは従来のCPUと比べて回路が微細化され、その結果として消費電力が低くなっています。また、AI(人工知能)の処理手法の1つである「深層学習(ディープラーニング)」を効率よく行う仕組みも用意されています。

 Ice Lakeでは、画面の描画を担うGPU(グラフィックスプロセッサ)もより高速な「Iris Plus Graphics」に一新されています(※)。従来よりもゲームプレイや写真/動画の編集がスムーズに行えるようになります。

(※)ごく一部のIce Lakeプロセッサは、従来とほぼ同性能のGPUを搭載しています。ただし、MacBook Airの2020年モデルに搭載されているIce Lakeプロセッサは全てIris Plus Graphicsを採用しています

Ice Lakeの特徴 第10世代Coreプロセッサ(Ice Lake)は、AI処理やグラフィックス処理が向上している

 CPUの演算部分である「コア」についても変化があります。2018年モデルでは2コアCPUしか選択肢しかありませんでしたが、2020年モデルでは4コアCPUも選べるようになりました(店頭販売のCore i5モデル、またはAppleの直販や一部量販店で購入できるCTOモデル)。

 コアは、たくさんあればあるほど処理能力が向上します。CPUの演算能力がより必要な用途にも使いやすくなりました。

コア多くなった 2コア(デュアルコア)CPUに加えて、4コア(クアッドコア)CPUも選択できるようになりました

大きく変わった「キーボード」

 もう1つ、2019年モデルから大きく変わったのがキーボードです。

 2018年/2019年モデルでは「バタフライ構造」のキーボードを採用していました。このバタフライキーボードはMacBookシリーズの薄型化に貢献したのですが、チリやホコリの混入による故障が多いという問題を抱えていました。

 それに対して、2020年モデルでは「シザー構造」のキーボードを採用しています。「Magic Keyboard」と呼ばれるこのキーボードは、従来のバタフライキーボードよりもチリやホコリに強く、反応も良好です。キーストローク(キーを押し込む深さ)も、1mmと従来よりも深めです。方向(矢印)キーの形状も変化しており、押し間違えるリスクを軽減しました。

 全般として、従来のキーボードと比べると打ちやすくなっています。文字をたくさん打ち込む人にはうれしい変更です。

キーボード比較 右が2019年モデル、左が2020年モデルのキーボード。見た目で分かる変化は、方向キー回りの形状ぐらいですが、実際に打ち込むと押し心地が大きく変わっていることが分かります

その他の変更点

 MacBook Airの2020年モデルの大きな変更点は「CPU」「キーボード」の2つですが、他にも細かく変わった点があります。

 まず、データの保存に使うSSDの容量が倍増しています。店頭販売される2モデルのうち、Core i3プロセッサを搭載するものは128GBから256GBに、Core i5プロセッサを搭載するものは256GBから512GBに増えました。

 AppleのWebサイトやリテールストア、一部の量販店で購入できる「CTO(カスタマイズ)モデル」では、1TBや2TBとさらに大容量のSSDを搭載することもできます(1TBは1000GBに相当)。

 データの保存に使うメインメモリの容量は2019年モデルから据え置きで、店頭販売モデルは8GB、CTOモデルは8GBまたは16GBを備えます。ただし、CPUの変更に伴い、より高速な読み書きを実現するLPDDR4x規格に変更されています。

SSD Core i5モデルは標準で512GBのSSDを搭載していますが、CTOモデルでは1TBまたは2TBに増量できます(Core i3モデルは標準が256GBですが、512GB、1TB、2TBのいずれかに増量できます)
メインメモリ 店頭販売モデルのメインメモリは8GB(LPDDR4x規格)ですが、CTOモデルでは16GBに増量できます

 バッテリーを使った際の稼働時間も微妙に変わっています。バッテリーの容量は49.9Whと変わらないのですが、CPUが高性能化したことから、「ワイヤレスインターネット」と「Apple TVアプリのムービー再生」における公称の最大稼働時間が約1時間短くなっています。ただ、公称値で1時間程度の差なので、実際に使った場合の稼働時間は少なくとも6時間は確保できていると思われます。

 ボディーカラーはゴールド、スペースグレイ、シルバーの3つで同様です。キーボードの変更などに伴い、ボディーの最厚部の厚みが約0.05cm増しとなり(最薄部は0.41cmで据え置きです)、重量も約0.04kg増しています。この程度の差は、よほどのことがない限り感じられるものではありません。

厚みの差 2020年モデルと2019年モデルを並べると「言われてみれば2020年モデルが厚いかな……?」という程度の差しかありません

新しいMacBook Airの価格は?

 MacBook Airの2020年モデルの店頭販売モデルは、「Core i3モデル」と「Core i5モデル」の2つが用意されています。

Core i3モデル:MacBookシリーズの中で一番手頃

 Core i3モデルは、2コア4スレッドの第10世代Core i3プロセッサ(1.1GHz〜3.2GHz)、8GBのメインメモリ、256GBのSSDを搭載しています。直販価格は10万4800円(税込み11万5280円)です。

 CTOモデルでは、CPUをCore i5(1.1GHz〜3.5GHz、4コア8スレッド)またはCore i7(1.2GHz〜3.8GHz、4コア8スレッド)に変更したり、メインメモリを16GBに増量したり、SSDを512GB、1TB、2TBに変更したり、キーボードの配列を変更したりできます。

シルバー

Core i5モデル:4コアCPUでさらにパワフルに

 Core i5モデルは、4コア8スレッドの第10世代Core i5プロセッサ(1.1GHz〜3.5GHz)、8GBのメインメモリ、512GBのSSDを搭載しています。直販価格は13万4800円(税込み14万8280円)です。

 CTOモデルでは、CPUをCore i7(1.2GHz〜3.8GHz、4コア8スレッド)に変更したり、メインメモリを16GBに増量したり、SSDを1TB、2TBに変更したり、キーボードの配列を変更したりできます。

ゴールド

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