外出時にパソコンやタブレットでネット接続するなら、4Gや5G、またはWiMAX 2+に対応した「モバイルWi-Fiルーター」(モバイルルーター)があると便利です。
固定回線と違って工事不要で開通するため、家庭でのネット接続環境としてもよく使われています。外出が減り、自宅でのネット接続が増えた人にとっては、心強い存在ではないでしょうか。
モバイルルーターにはさまざまな製品がありますが、今回はNTTドコモやauなどの大手キャリアやサブブランドで販売されている製品の中から、4製品をピックアップしました。
「5G」の通信サービスを提供している大手キャリアでは、モバイルWi-Fiルーターにも5G対応モデルが登場しており、エリアによってはより速い通信を利用できます。具体的には、理論値での最大通信速度が4Gbpsを超えているのが特徴です。
エリア的には「4G」接続になることが多いと思いますが、それでも最大通信速度は1Gbps超です。現在は5Gを利用する機会がなくても、ルーターを長く使う前提ならば、最新の5G対応機種も検討しておくメリットはあるでしょう。
モバイルルーターはスマホやパソコンなどとWi-Fiで通信するため、最新のWi-Fi規格「Wi-Fi 6」をサポートしている機種なら、より快適に通信できます。
ただし、5GおよびWi-Fi 6に対応した機種は、その分お値段も高くなってしまいます。
モバイルルーターによっては、クレードル(卓上ホルダ)に設置することで、電波強度が上がり、自宅に設置したときに安定した通信が行いやすくなる製品なども存在します。ただし、クレードルは別売になる場合も多いです。
特にパソコンで利用したい場合には、USBポートやLANポートの有無をそれぞれ確認しておき、有線接続で安定して通信できそうか確認しておくと良いでしょう。
もしWi-Fi経由でたくさんの機器をつなげるなら、Wi-Fiの2.4GHz帯および5GHz帯を同時に接続できるのかどうか、最大何台までのデバイスを同時に接続できるのかも必ず確認をしておきましょう。意外に機種によって差がある部分です。ちなみに、一般的なモバイルルーターなら10台強の接続が可能です。
外出時に持ち歩く機会が多いなら、連続して通信できる時間も考慮しておく必要があります。通信速度が速い機種は連続通信時間が短い傾向があり、5G通信を利用する場合には、4時間を下回ることもあります。
一方、“こなれた”4G対応モデルであれば、連続で10時間以上通信できる場合も多いのです。機種によってはバッテリーパックを交換することで、より長時間の使用に対応できるものもあります。
NTTドコモのシャープ製「Wi-Fi STATION SH-52A」は、6月に発売されたモバイルWi-Fiルーターです。
ドコモの5G通信に対応し、下り最大4.1Gbpsの高速通信をうたうのが大きな特徴です。さらに5GのSub-6/ミリ波もサポート、上りも最大480Mbpsと高速です。ちなみに4G(LTE)接続時は下り最大1.7Gbpsで通信できます。
パソコンやスマホとのWi-Fi接続に関しては、Wi-Fi 6をサポート。有線インタフェースとしては、有線LANポートやUSB Type-Cポートなどを備え、LANケーブルやUSB 3.0ケーブルを用いたネット接続が行えます。なおクレードルは用意されていません。
最大接続台数は18台(Wi-Fi:16台/有線LAN:1台/USB:1台)。バッテリー駆動時の連続通信時間は、5G接続時に約290分、LTE接続時で約400分です。機種代金は6万8904円(税込、以下同)です。
「Speed Wi-Fi 5G X01」はau(KDDI)が7月に個人向けに発売したシャープ製のモバイルWi-Fiルーターです。
ドコモのSH-52Aと同じように、5GのSub-6/ミリ波両方の5G通信に対応し、下り最大4.1Gbps、上り最大481Mbpsをサポート。4G接続時には下り最大1Gbpsに対応します。Wi-Fi機器との接続ではWi-Fi 6が利用可能で、最大接続台数は16台です。
そのほかのインタフェースとして、有線LANポートやUSB Type-C(USB 3.0)ポートを備えます。クレードルには非対応です。バッテリー駆動時の連続通信時間は、5G利用で約220分、4G LTE利用で約460分です。機種代金は7万1500円です。
「Speed Wi-Fi NEXT WX06」(NEC製)は、UQコミュニケーションズが1月に発売したWiMAX 2+(ワイマックス)対応のモバイルルーターです。
通信速度は下り最大440Mbpsと最新の5G製品と比べるとスペックが控え目ですが、WiMAX(ワイマックス)は実績あるモバイルブロードバンドサービスのため根強い人気があります。
バッテリー駆動時の連続通信時間は通常モードで約690分、通信速度を優先するモードで約500分、さらに電池持ちを優先するモードでは約840分まで伸びます。バッテリーの交換も可能なので、より長時間の使用にも対応可能です。
なおWi-Fi 6には非対応。ただし、2.4GHzと5GHz帯の同時利用に対応し、最大16台までの機器と同時接続が行えます。インタフェースにはUSB Type-Cポートを備えますが、LANポートはありません。別売のクレードルも用意されています。
UQ WiMAXオンラインショップでの端末価格は1万5000円です。
モバイルルーターの代名詞にもなったのが、ソフトバンク/ワイモバイルが展開する“Pocket WiFi(ポケットワイファイ)”シリーズ。「Pocket WiFi 803ZT」(ZTE製)はワイモバイルが2019年8月に発売した機種で、下り最大988Mbpsの通信に対応します。
最大同時接続台数は16台で、連続通信時間は約12時間。インタフェースには、USB Type-C(USB 3.0)を備えます。別売のクレードルを使用すれば、有線でも利用可能。機種代金は一括1万800円です。
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