2020年3月にスタートした次世代の通信サービス「5G(ファイブジー)」。「高速・大容量」や「低遅延」といった特徴を持っていますが、5G通信に対応したスマートフォンやモバイルルーターがなければ、こうした恩恵は受けられません。
サービス開始当初は対応スマホが限られていましたが、この夏はミドルレンジも含めて選択できる機種が増えてきています。2020年8月末時点で販売されている5Gスマホを対象に、選び方のポイントとおすすめの機種をまとめました。
各社の5G対応エリアはまだ限定的で、都市部など人口密集地の一部で使える段階です。多くの人が5Gサービスの恩恵を大きく受けられるのは、エリアが充実した数年以上先になると予想されます。
しかし、5Gスマホには、機能や性能が高いハイスペックなモデルが多く、長期的な運用を想定しても快適に利用し続けやすいと言えます。スマホの買い替え頻度が低いという場合にも、先行投資として購入するメリットはあるでしょう。
5Gスマホはハイスペックモデルが中心であり、支払い総額は10〜13万円を超えるものが多く存在します。ただし、大手キャリアの場合、一定期間の使用後に返却を返却することを条件としたいわゆる「端末購入補助プログラム」を活用すれば、負担金額の合計は6〜7万円程度に収まります。
数はまだ少ないものの、ミッドレンジ帯の5Gスマホも登場しています。こちらは支払い総額が4万〜7万円台で、端末購入補助プログラムを活用すれば、2〜3万円台の負担金で運用可能な点が魅力です。
毎月の通信プランも、5G専用のものを契約する必要があります。料金4G向けのプランよりも月額1000円程度高く設定されていますが、5Gサービス開始に伴うキャンペーンを活用することで、一定期間はコストアップをせずに運用できるでしょう。
5Gと一言でくくっても、利用する周波数帯は「Sub-6(サブ6)帯」と「ミリ波帯」と呼ばれる2種類に大別されます。現時点で販売されている多くのスマホは前者に対応していますが、「ミリ波帯」を利用できる機種は限られています。
このミリ波帯は直進性が非常に高く、建物の影に電波が届きにくいなどの特徴があります。しかし、伝送できる情報量が多く、サブ6帯で想定されているよりも速い通信速度を実現できるのが特徴。将来的に5Gの恩恵を受けるには重要な項目なのです。
スマホの買い替え頻度が少なく、長期的な運用を見据えるならばミリ波帯に対応したスマホを選ぶことも検討してみると良いでしょう。
「arrows 5G F-51A」は、7月30日にNTTドコモが発売した富士通製の5Gスマホ。ミリ波にも対応し、下り最大4.1Gbps/上り最大480Mbpsの高速通信が可能です。
背面カメラは、約4800万画素(広角)、約1630万画(超広角)、約800万画素(望遠)の3眼構成。支払総額は11万2508円(税込、以下同)で「スマホおかえしプログラム」適用時の負担額は7万8696円から。
「Galaxy S20 Ultra 5G SCG03」は、auが7月3日に発売した5Gスマホです。「Galaxy」シリーズの中でも最上位モデルで、ミリ波にも対応しています。
6.9型の大画面を搭載し、背面カメラは約1億800万画素の高解像度カメラを中心に約1200万画素(超広角)、約4800万画素(望遠)、ToFカメラを加えた4眼構成です。
支払総額は16万5980円で「かえトクプログラム」適用時は9万6140円から。
「OPPO Find X2 Pro OPG01」は、同じくauが7月22日に発売したOPPO製の5Gスマホです。ミリ波には対応しないものの5Gスマホとしては比較的お手頃な価格なのが特徴。支払総額は9万2040円で「かえトクプログラム」適用時には5万5200円〜です。
背面カメラは、約4800万画素(広角)、約4800万画素(超広角)、約1300万画素(望遠)の3眼構成です。防水はサポートしますが、おサイフケータイには非対応です。
「OPPO Reno3 5G」は、ソフトバンクが7月31日に発売した5Gスマホ。こちらもミリ波には対応しませんが、支払総額が6万8400円、「トクするサポート+」適用時は3万4200円とお手頃なのが魅力ですね。
背面カメラは、4800万画素(広角)、1300万画素(超広角)、800万画素(望遠)、200万画素(モノクロ)の4眼構成。なお、auの「Find X2 Pro」とは反対に、おサイフケータイには対応しますが、防水は非対応のモデルです。
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