キャンプサイトでテントやタープなどを固定するのに必要なのが「ペグ」。ロープなどを張り続けるために地面に打ち込むだけのシンプルなアイテムですが、テントもタープもペグがなければ始まりません。快適なキャンプを地面からサポートする必需品がペグなのです。
購入したテントなどの付属品をそのまま使っている人も多いと思いますが、アルミ製やプラチック製のものが多く、固い地面では固定しにくかったり、最悪破損したりすることもあります。
別売りの優れたペグを選んで使えば、固い地面であっても、風の強い日であっても、しっかりと幕を固定できます。打ち込みやすいペグならスムーズに設営が行えますし、状況に応じてペグの種類を使い分ければなお快適です。
テントやタープは変われど、優れたペグは長く使えるもの。キャンプ地に到着し、お気に入りのペグを打ち込む瞬間はキャンパーが知っている楽しい時間の1つです。
ここでは、ペグを選ぶ際のチェックポイントやおすすめ商品を紹介していきます。ぜひペグ選びの参考にしてください。
Fav-Log編集部員としてアウトドアや家電、ガジェット、車などを担当。ITmediaで長くITトレンドやネットの話題、業界事情、ガジェットなどを取材する一方、学生時代の野宿旅行から各地でキャンプを楽しんできました。キャンプのポリシーは「シンプルに」。最近は三浦半島に通って海釣り(主にライトゲーム)を楽しんでます。ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定AFP)。思い出のキャンプ地は大雪山・旭岳のテント場。最愛のガジェットはJornada 690。好きな魚はカサゴとオオモンハタ。
金属に圧力を加える「鍛造」により作られた、頑丈なペグです。ハンマーでがんがんと打ち込むことができ、固い地面にも対応できるタフさが特徴です。砂地などゆるい地面には不向きですが、ほとんどのキャンプ地に対応できるでしょう。
比較的高価ですが、長く使うことができます。頑丈な分、重いのがデメリット。登山やソロキャンプなど、荷物を減らしたい場合には向いていません。
断面がV字、Y字、X字のペグで、土と接する面積を大きくすることで抜けにくくしています。固すぎない、一般的な地面に対応でき、比較的簡単に打ち込めるのが特徴です。
断面がU字型のU字ペグは、砂地などのやわらかい地面に向いています。
V字ペグやU字ペグは重ねて収納できるのもポイント。Y字・X字ペグは重ねて収納はできませんが、V字ペグより強度があり、対応力も高くなっています。Y字、X字とも、抜いた時に土を落とすのがやや面倒なことがあります。
ピン状のペグです。テントなどを購入すると付属していることが多いペグ。扱いやすいのがメリットですが、アルミ製は曲がりやすいのが欠点です。ネイルペグはピン状のペグ本体に装着する樹脂製などのネイル(爪)にロープを引っかけるタイプです。
ペグにはさまざまな素材が使われていますが、ほとんどは金属製です。
鍛造ペグはスチール(鉄)製でタフですが、重いのが欠点。付属品に多いアルミ製は軽量で安価な一方、軟らかく、曲がってしまいがち。アルミ合金であるジュラルミン製や、チタン製なら軽量かつ丈夫で、荷物を減らしたいキャンプにおすすめですが、比較的高価です。
プラスチック製の軽量で安価なペグもあります。砂浜や軟らかい土のサイトのほか、公園などでワンタッチテントやレジャーシートを気軽に固定したい時などに向いています。
同じペグでも長さの異なるモデルをラインアップしているものがあります。長い方がしっかり地面に打ち込めますが、不必要に長いと重くてかさばり、打ち込む労力も大きくなります。必要に応じて複数の長さのペグを用意するのがよいでしょう。
複数の長さがラインアップされている鍛造ペグの場合、小型テントであれば20cm前後、ファミリーテントには30cm前後、風圧がかかるタープの固定には40cm前後のものが安心です。風が強い日にそなえて、テンションが最もかかる部分のために50cmのペグも用意しておくと心強いでしょう。
付属ペグからのステップアップを検討しているなら、ファミリー向けのテントやタープなら鍛造ペグがおすすめ。さまざまな地面状況への対応力が高く、重みもあってきっちりと固定してくれるので、風の日などでも安心感があります。移動手段が車なら重さもあまり気にならないでしょう。
登山やツーリングでは少しでも軽くする必要があるので、チタン製やジュラルミン製が軽さと強度を両立できるので向いています。ソロキャンパーにも軽量なペグが向いているとは言えますが、移動手段が車などで重さが気にならないなら鍛造ペグもおすすめです。
柔らかい土や砂浜などの状況に応じてY字ペグやU字ペグも用意しておくと安心です。
鍛造ペグの代名詞とも言えるのが人気アウトドアブランド「スノーピーク」(snow peak)のシンボル「ソリッドステーク」です。「ペグは消耗品」という考え方を変えた、愛用する人も多いペグの1つです。
同社の地元、新潟県の燕三条地方に伝わる鍛造製法で鍛えた鋼材に、防さび製の高い電着塗装でブラックカラーをまとわせています。円柱形のヘッドはハンマーで打ちやすく、同社の「ペグハンマーPro」で引き抜くのに便利なフック用の穴がついています。
20cm、30cm、40cm、50cmの4種類をラインアップ。用途によって使い分けることができます。
1本当たりの重さは20cmで75g、30cmで180gとなっており、多めにそろえるとそれなりの重量になります。
新潟県三条市の「村の鍛冶屋」が手がける「エリッゼステーク」は、スノーピークのソリッドステークと比較されることの多い人気の鍛造ペグです。
「ELISSE」はイタリア語で「楕円」を意味しており、断面を楕円形にすることで地中での回転を抑えているのが特徴です。
電着塗装のブラックカラーに加え、粉体塗装やメッキによるカラーバリエーションが多いのもポイント。長さごとに色を変えたり、つまずかないようにカラフルなものを選んだりといったことができます。
18cm、28cm、38cmの3種類をラインアップしています。
キッチン用品・アウトドア用品を手がける「IWANO」(イワノ)の日本製鍛造ペグ。伝統の和釘をベースにしたデザインに、電着塗装をまとわせて耐久性を高めています。
小物や蚊取り線香を引っかけて使うといったこともできる形がユニーク。長さは30cmの1種類です。
テント「ゼクー」などで高い評価を受けているアウトドアブランド「ゼインアーツ」(ZANEARTS)の鍛造ペグ。フラットでくさびのような形状で、刺せば刺すほど地面に密着。少しひねればすっと引き抜けるという、固定力と抜きやすさを両立しています。
フラットなのでまとめやすいのもポイント。ペグ打ち時に手を保護する安全ガードなど、よく考えられたペグです。18cmと28cmの2モデルがあります。
パップテントなどコスパのいいアイテムで知られる「バンドック」(BUNDOK)から登場したステンレスペグの8本セットです。
製造は新潟県燕市の刃物メーカーが担当。さびに強く、焼き入れ処理で固めの地面にも耐えられます。
重ねても約24mmと薄く、重さ合計456g(1本当たり57g)と軽量。ロープが触れる部分にはしっかりと面取り加工が施されています。
焚き火台などが人気のアウトドアブランド「ユニフレーム」(UNIFLAME)のステンレスペグ(6本セット)。
特殊形状で強度を高め、幅広で接地面を増やすことでグリップ力を発揮します。長さは194mm、1本当たりの重さは約50g。6本をスタッキングしても厚さ約3cmとコンパクトなのもポイントです。
「エリッゼ」ブランドのチタン合金製ペグ。長さ20cmで重さは40gと、18cmのエリッゼステーク(73.8g)と比べ大幅に軽量なのが最大のメリットです。
1本で約1000円と高価ですが、登山やツーリング、ソロなどで少しでも荷物を軽くしたいキャンプには強い味方になります。
Amazonを中心にチェアなどのアウトドア用品を展開する中国系ブランド「Soomloom」のチタン合金製をうたうペグ。長さ20cmモデルは重さ40gと軽量。チタンペグとしては安価なほうで、Amazonのレビュー評価が高いペグです。
スノーピークのシンプルなピンペグ。ジュラルミンを採用することで、21cmで19.5gと軽量ながら強度を高めています。1本275円(税込、スノーピーク公式価格)と安価なのもポイント。
「ユニフレーム」(UNIFLAME)のジュラルミン製ピンペグ。長さ約20cmで1本当たり17gと軽量です。平打ちで強度を増しているほか、ヘッド部の絶妙な曲げ加工により打ち込み時の力のロスを軽減しています。
人気アウトドアブランド「コールマン」(Coleman)のY字ペグ。ジュラルミン製で軽量ながら強度を高めています。6本セットで実売価格が1200円台(2022年5月現在、Amazon.co.jp)というコスパの良さもポイントです。
高品質な登山用品で知られる「MSR」のY字型ペグです。アルミの採用で重さを13gに抑えつつ、Y字断面で設置面積と強度を高めています。長さは19cm。
MSRのユニークなペグ。文字通りサイクロンのようなスクリュー状で地面への食いつきを高めています。アルミ製で長さ25cm、重さは35gです。
砂地などに適したプラスチック製のペグ。38cmと十分な長さがあり、ペグの穴にロープが通せるので作業がしやすくなっています。
樹脂部分にロープを引っかけるネイルペグ。ペグ本体はスチール製の25cm。価格も手ごろなのでテント付属ペグの予備にぴったり。
芝生などの柔らかい地面に使えるねじ込み式のペグ。ハンマーがなくても、ワインの栓抜きのようにくるくると回すことで地面に入っていきます。
ショッピングサイトではどんなペグが人気なのでしょうか。以下のリンクからチェックしてみてください。
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