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» 2020年10月18日 10時30分 公開

iPhoneやApple Watchの「Suica」と「PASMO」って何が違う? 比較してみよう【2020年最新版】

iPhoneやApple Watchで使える「Apple Pay」では、「Suica」や「PASMO」も使えます。どちらも交通系ICカードで、できることはほぼ同じですが、微妙な違いもあります。

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 皆さんは、鉄道やバスに乗るときに「乗車券」を購入しているでしょうか。最近では、都市圏を中心に「交通系ICカード」を乗車券の代わりに使っている人も少なくないでしょう。

 交通系ICカードの中でも、首都圏や仙台地区や新潟地区で使えるJR東日本(東日本旅客鉄道)の「Suica(スイカ)」と、首都圏の私鉄やバス会社が共同で運営する「PASMO(パスモ)」は特に利用者が多いとされています。両者には、スマートフォンを鉄道やバスに乗る際に使うICカードとして使えるサービスもあります。

SuicaとPASMO FeliCa(フェリカ)に対応するiPhoneやApple Watchで使える「Suica」と「PASMO」

 この記事では、Appleの「Apple Pay」を通して「iPhone」や「Apple Watch」で利用できる「Suica」と「PASMO」について、その違いをチェックしていきます。

どんなiPhoneやApple Watchで使える?

 Apple PayのSuicaとPASMOは、それぞれ利用できる端末が微妙に異なります。

 Suicaは「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」「Apple Watch Seires 3」の日本向けモデル(※1)と、「iPhone X」「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」以降のiPhoneや「Apple Watch Series 3」以降のApple Watchで使えます。

 一方、PASMOはiOS 14以上を搭載する「iPhone X」「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」以降のiPhoneやwatch OS 7以上を搭載する「Apple Watch Series 3」以降のApple Watchで使えます。iPhone 7/7 PlusやApple Watch Series 2では利用できません

(※1)本体内部のハードウェアの制約から、iPhone 7/7 PlusやApple Watch Series 2の海外モデルではSuicaを利用できません

PASMOの要件 Apple PayのPASMOは、「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」「Apple Watch Seires 3」の日本向けモデルでは利用できません。また、対応端末でもOSを最新バージョンにしないと使えません(出典:パスモ)

 SuicaもPASMOも、対応モデルであればiPhoneやApple Watchの「Wallet」アプリから会員登録なしでカードを追加できます。ただし、利用開始時に最低1000円のチャージ、またはカードタイプのSuicaやPASMOからカード情報の引き継ぎ(※2)が必要となります。

 記名式のカードを使いたい場合、Androidの「モバイルSuica」「モバイルPASMO」のカード情報を引き継ぎたい場合、その他会員登録が必要なサービス(定期券の新規購入など)を利用したい場合は、それぞれの専用アプリをApp Storeからダウンロードして使う必要があります。

 両アプリにはカードの新規発行、カードタイプのカードからの情報引き継ぎ機能(※2)も備えています。PASMOアプリでは「残高0円」のPASMOを作成することも可能です。

(※2)クレジットカード一体型のカードや小児用カードなど、一部のカード情報は引き継げません。なお、引き継いだ後のカードは利用できなくなりますので、自分で破棄してください。デポジット(預り金)は、チャージとして返金されます

Walletアプリ Walletアプリでカードを新規作成する場合は、最低1000円のチャージが必要です
アプリから新規作成 それぞれの専用アプリからカードを新規作成する場合、Suicaは最低1000円のチャージが必要ですが、PASMOは0円(チャージ)なしでも作れます。ただし、いずれも記名式カード、または定期券が発行済みの場合は無記名カードを発行できません

SuicaでもPASMOでもできること

 Apple PayのSuicaとPASMOでできることは基本的に共通で、以下の通りカードタイプのものとおおむね同じことができます。ただし「★」印の付いているサービスは無料の会員登録が必要です。

  • 「交通系ICカード」に対応する鉄道やバスへの乗車
  • 「交通系電子マネー」に対応する店舗での買い物
  • 「定期券」の購入と利用★(詳しくは後述)
  • PASMO対応路線バス/路面電車における「バス利用特典サービス(バス特)」の利用
  • PASMO対応路線バス/路面電車における「1日乗車券」の購入と利用
  • PASMO対応路線バスにおける「乗り継ぎ割引」の適用
  • コンビニエンスストアや路線バス車内などでの現金チャージ
  • クレジット/デビット/プリペイドカードを使ったチャージ(※3)
  • Suica/PASMOエリアにおけるオートチャージ★(※4)
  • 端末の機種変更・紛失・盗難時の再発行★

(※3)Apple Payに登録してあるクレジットカード/デビットカード/プリペイドカード、または会員情報にひも付けたクレジットカード/デビットカード/プリペイドカードを利用できます。ただし、Apple Payでの支払いはMastercard、JCB、American Expressのいずれかのブランドのカードのみ対応します(以下同様)。また、PASMOの会員情報にひも付けられるカードは「3Dセキュア」(Web本人確認)に対応するものに限られます
(※4)会員情報に特定のクレジットカードをひも付けた場合のみ利用できます

できること モバイルSuicaとモバイルPASMOは、カード式のSuicaやPASMOとほぼ同じことができます。「バス特」に対応する路線バスでは乗車金額に応じたポイントがたまり、一定ポイントがたまると「バスチケット」が付与されます(出典:株式会社パスモ)

Suicaのみ対応していること

 一方で、以下の通りSuicaでのみ利用できるサービスもあります。いずれも無料の会員登録が必要で、Suicaアプリからの操作が必要です。

 なお、AndroidのモバイルSuicaとは異なり、Webショッピングのネット決済には対応しません

  • 「モバイルSuicaグリーン券」の購入と利用(※5)
  • 東海道・山陽新幹線の「EX-ICカード」としての利用(※6)
  • 「Suicaポケット」の受け取り(「JREポイント」のポイントチャージを含む)

(※5)Apple Payまたは会員情報にひも付けたクレジットカード/デビットカード/プリペイドカードで購入します。Suicaの残高から購入することはできません
(※6)JR東海が指定するクレジットカードを用意した上で、Suicaアプリから手続きを行う必要があります。Suicaの会員情報とひも付けたカードと同一でなくても構いません

モバイルSuicaグリーン券 首都圏のJR線の一部に設定されている「普通列車グリーン車」に乗れるSuicaグリーン券は、Suicaアプリでないと発券できません

Suica定期券の購入について

 Suicaアプリでは、原則としてJR東日本のSuicaエリアの駅を発駅とする定期券を購入できます。代金の支払いは、Apple Payに登録したクレジットカード/デビットカード/プリペイドカード、または会員情報にひも付けたクレジットカード/デビットカード/プリペイドカードで行います。

 購入できる定期券の種類は以下の通りです。首都圏エリアはSuicaを採用する他社やPASMO採用事業者、仙台エリアは仙台市営地下鉄との連絡定期券も購入できます

  • 通勤定期券
  • 通学定期券(大学生、専門学校生のみ)
  • グリーン定期券
  • 新幹線通勤定期券(FREX)(特定区間のみ対応)
  • 新幹線通学定期券(FREXパル)(特定区間のみ対応)

 通学定期券やFREX/FREXパルの新規購入時は、それぞれにおける所定の事前申し込みが必要です。通学定期券とFREXパルでは、必要書類(通学証明書など)の郵送も必要です。申し込みが受理されると、アプリから購入できるようになります。

予約画面 通学定期券を新規発行するには、事前の申し込みと書類の郵送が必要です。使い始める日程を考えて、余裕を持った対応をしましょう(画像はパソコンで申請画面を開いた場合)

 また、以下の定期券は事前に問い合わせると購入できることがあります(アプリの操作だけでは購入できません)。気になる人は問い合わせてみてください。

  • 乗り継ぎの都合で「重複」「折り返し」が生じる経路の定期券
  • 発着共に私鉄/地下鉄の駅だが、途中にJR東日本の路線を含む経路の定期券
  • 2区間定期券(※7)
  • 「グリーン車利用区間」と「定期券区間」が異なるグリーン定期券
  • その他、アプリの自動案内では出ない経路の定期券

(※7)その名の通り、2つの区間で有効な定期券。2区間目は1区間目の途中駅を発駅とすることが条件となります(2区間目の着駅は範囲制限あり)。定期運賃は、1区間目と2区間目の定期運賃を合算したものとなります

 なお、定期券の「継続購入」は、Walletアプリ経由でも行えます。この場合、代金の支払いはApple Payに登録したクレジットカード/デビットカード/プリペイドカードのみとなります。

2区間定期券 Suicaアプリではグリーン車利用区間が実際の乗車区間と異なるグリーン定期券(左)や2区間定期券(右)を発券できませんが、事前に問い合わせると発券できる場合があります(出典:JR東日本)

 なお、Apple PayのSuicaでPASMO対応路線バスの「ICバス定期券」(都電荒川線の定期券を含む)を使いたい場合は、利用する路線バス事業者のモバイルSuicaに対応できる定期券販売窓口に端末を持ち込めば発券してもらえます。ただし、以下の点に注意してください。

  • Suicaの会員登録(=記名式利用)が必要
  • 代金は当該窓口で利用できる方法で支払う(各種カードを使えない場合あり)
  • 定期券の内容はアプリから確認できない(発行される「控え」を携行する必要あり)
バス定期券 PASMO対応路線バスの一部で発行している「ICバス定期券」はApple PayのSuicaでも利用できますが、端末をモバイルSuicaに対応できる定期券販売窓口に持ち込む必要があります。モバイルSuicaに書き込んだICバス定期券の情報はアプリから参照することができないことにも注意です(出典:東京都交通局)

PASMOのみ対応していること

 逆に、以下の通りPASMOでのみ利用できるサービスもあります。「★」印が付いているものは会員登録が必要です。

  • 「バス特」のポイントや特典チケットの確認
  • ICバス定期券の購入と内容確認★(カード登録も必要)

 バス特のポイントと特典チケットの確認機能は、モバイルタイプのSuicaはもちろん、カードタイプのPASMOやSuicaにもない魅力です。

バス ICバス定期券の購入(左)や「バス特」の状況確認(右)をアプリから行えるのは、モバイルタイプのPASMOだけです

PASMO定期券の購入について

 PASMOアプリでは、鉄道の定期券と、バス/路面電車(都電荒川線、東急世田谷線)の定期券をそれぞれ1枚ずつ購入できます。東京都交通局や横浜市交通局では、それぞれの局が運営する地下鉄とその他の交通(路線バスなど)との連絡定期券も発売しています。代金の支払いは、Apple Payに登録したクレジットカード/デビットカード/プリペイドカード、または会員情報にひも付けたクレジットカード/デビットカード/プリペイドカードで行います。

 鉄道定期券は、モバイルPASMO定期券を発行する事業者の駅を発駅とするものを購入できます。首都圏のSuica事業者やPASMO事業者への連絡定期券も購入可能です。発駅に関する条件を満たしていれば、モバイルPASMO定期券を発行していないPASMO事業者を着駅(あるいは経由駅)とする連絡定期券も発行できます。

 購入できる鉄道定期券の種類は以下の通りです。

  • 通勤定期券
  • 通学定期券(原則として大学生、専門学校生のみ)
  • 2区間定期券(特定事業者の特定区間における連絡定期券のみ)

 通学定期券の新規購入時は、PASMOアプリで経路申請(購入予定の定期券の内容を登録)した上で、モバイルPASMOの会員サイトでダウンロードした申請書を印刷し、必要書類(通学証明書など)を添えて郵送する必要があります。申し込みが受理されると、アプリから購入できるようになります。

モバイルPASMO会員サイト 通学定期券を新規購入する場合は、モバイルPASMO会員サイトから申請書をダウンロードして、必要書類を添えて郵送する必要があります

 バス定期券も、モバイルPASMO定期券の発行に対応する事業者で購入できます。路線バスはおおむね地区によって「定額(一律)運賃」と「距離制(整理券)運賃」に分かれますが、Apple PayのPASMOバス定期券はどちらにも対応できます。鉄道定期券と同様の手続きで通学定期券も買えます。

 なお、鉄道定期券もバス定期券も、発売内容は事業者によって異なります。アプリでの購入手続き時にも案内は出ますが、どのような定期券を買えるのか、Webサイトで事前に確認することをおすすめします。

Apple Pay特有の注意点もしっかり知ろう!

 Apple PayのSuicaとPASMOは、カードタイプとほぼ同じ機能を持ち合わせます。ただし“カード”ではないゆえの注意点もあります。

 まず、駅での現金チャージはカードやスマホをトレイに載せられるタイプの券売機やチャージ機でのみ可能です。現金チャージをしたい場合は、コンビニエンスストアを活用することをおすすめします。

駅でのチャージ機 Apple PayのSuicaやPASMOを駅で現金チャージする場合は、写真のようにICカードの読み書きをする部分がトレイとなっているチャージ機を探す必要があります

 Apple PayのSuicaやPASMOは、その他のApple Payのカードと合わせて1台当たり最大12枚まで登録できます(※8)。AndroidのモバイルSuicaやモバイルPASMOでは難しい複数枚のカードを共存しやすいことが魅力です。

 ただし、このままではどのカードが「普段使うカード」か判別することができず、Walletアプリで都度カードを選択しなくてはいけません。つまり、決済する度に認証が必要になってしまいます。これでは、改札を通るのも一苦労です。

 そのため、普段使うSuicaやPASMOについては「エクスプレスカード設定」をしておくと、認証を省略できます。エクスプレスカード設定を有効にしたSuicaやPASMOは、ICカードのリーダーライター(読み書き部分)にかざすと自動的に有効になるので便利です。

(※8)iPhone 7/7 Plus、Apple Watch Series 2の日本向けモデルでは、最大8枚となります

エクスプレスカード エクスプレスカード設定を有効にした交通系ICカードは、認証しなくても利用できます

 「iPhoneやApple Watchのバッテリーが切れたら使えなくなるのでは?」と心配する人もいるかもしれません。この点は、端末によって異なります。

バッテリーが切れてもしばらくは使える端末

 以下に示す機種は「予備電力機能付きエクスプレスカード」をサポートしており、バッテリーが切れてからも最大5時間はエクスプレスカードとして設定した交通系ICカード(Suica/PASMO)を利用できます

  • iPhone XS/XS Max
  • iPhone XR
  • iPhone 11 Pro/11 Pro Max
  • iPhone 11
  • iPhone SE(第2世代)
  • その他、上記以降に発売されるiPhone

 ただし、これらの機種でも電源を完全に切ってしまうとエクスプレスカードも使えなくなります。ここは、本体にバッテリーさえ残っていれば使えるAndroidのおサイフケータイと比べた際のデメリットといえます。

予備電力機能付きエクスプレスカード 予備電力機能付きエクスプレスカードに対応するiPhoneでは、バッテリー切れになってもエクスプレスカードを最長5時間利用できるように電力を残します。ただし、完全に電源が切れている状態では、バッテリー残量に関わらずエクスプレスカードを利用できません

バッテリーが切れると使えなくなる端末

 上記以外のSuica/PASMOに対応するiPhoneやApple Watchについては、バッテリーが切れるとApple Payの交通系ICカードが使えなくなります。先述の機種と同様に、電源が切れている状態でも交通系ICカードは使えません

 Apple Watch、あるいは古めのiPhoneでApple Payを使う場合は、バッテリー残量には十分気を付けましょう。

どっちにすればいい?

 Apple PayのSuicaとPASMO、どちらが良いかは人それぞれです。

 Suicaは、以下のいずれかに当てはまる人におすすめです。

  • 家からの最寄り駅がJR東日本のSuica対応駅である
  • JR東日本の「JRE POINT」をためている
  • 普通列車のグリーン車によく乗る
  • エクスプレス予約をよく使う

 一方、モバイルPASMOは以下のいずれかに当てはまる人におすすめです。

  • 家からの最寄り駅がPASMO対応の私鉄の駅である
  • 私鉄のポイントプログラムを使っている
  • 通勤や通学でPASMO対応の路線バスを使っている

 先述の通り、Apple Payは1台の端末に最大12枚までカードを登録できます。また、iPhoneとApple Watchの間でカードを移動することもできます。うまく使い分けて、より快適なApple Payライフを送りましょう。

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