窓やガラステーブルなどを拭く際に使う「ガラス用洗剤」ですが、他の部分の掃除にも使える汎用(はんよう)クリーナーを含めると非常に選択肢は豊富です。
そこで、ガラス用洗剤を選ぶ上でチェックすべきポイントと、それを踏まえたおすすめ商品を紹介します。参考になれば幸いです。
他の洗剤類と同様に、ガラス用洗剤にも「酸性」「中性」「アルカリ性」といった液性があります。液性は「落としやすい汚れ」を定義する上で重要な意味を持ちます。つまり汚れの種類によって使い分けると効果的です。
家庭用の洗剤の液性は、「家庭用品品質表示法」に基づいて以下のように区分されています。
洗剤がどのような液性を持っているかは、洗剤のパッケージに書かれているので必ずチェックするようにしましょう。
基本的に、家庭向けのガラス用洗剤は中性か(弱)アルカリ性がほとんどです。ただ、自動車の窓ガラス用洗剤では、一部に酸性のものも存在します。
中性(pH7〜8)のガラス用洗剤のメリットは、洗う対象物の変性(性質の変化)を最小限に抑えられることが最大のメリットです。つまり、いろいろな部位を優しく洗えるということです。
例えば、窓ガラスを拭く際は桟(さん)を、ガラステーブルを拭く際はフレームや足もまとめて拭きたいものです。中性洗剤であれば、ガラスを取り巻く部位も素材を意識せずに気軽に拭けます。
ただし、中性洗剤であっても、含まれる成分や液の特性によっては利用に適さない素材もあります。ガラス以外のものを拭く場合は「用途(掃除に適する用品)」をよく読んでからにしましょう。
特に窓ガラスには油膜が意外と付きやすいです。ガラステーブルなら手あかも付きます。たばこを吸う人であれば、ガラスにヤニも付着しやすいものです。
これらの汚れは全て「酸性」の特性を持っています。そのため、弱アルカリ性(pH8〜11)またはアルカリ性(pH11〜14)のガラス用洗剤を使えば効率よく落とせます。ガラスを押さえるコーキング材やゴムに黒カビが生じた場合も、(弱)アルカリ性の洗剤なら結構キレイにふき取れます(しつこいカビには塩素を配合したカビ取り剤の利用をおすすめします)。
ガラスの中には、表面に特殊なコーティングを施しているものもあります。そのようなガラスを使っている窓やテーブルには、掃除をする際の注意点が記載されています。その指示に従って洗剤を選ぶようにしてください。
また、ほとんどのガラス用洗剤は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの拭き取りには利用できません。ディスプレイの拭き掃除には、専用のクリーナーを使うことをおすすめします。
屋外に面した窓ガラスや、自動車のガラスには水あかが付着することがあります。水あかはアルカリ性の汚れなので、弱酸性(pH3〜6)または酸性(pH0〜3)の洗剤を用いると効果的に落とせます。
ただし、ガラスに付着するのは酸性の汚れが多いこともあり、酸性の液性を備えるガラス用洗剤はそれほど多くありません。普段は中性、または(弱)アルカリ性の洗剤を使いつつ、水あか落としをする際には(弱)酸性洗剤を使うと効果的です。
以上を踏まえて、おすすめのガラス用洗剤を3つ紹介します。
花王のガラス用洗剤で、液性は弱アルカリ性です。
ガラス用洗剤にありがちな「拭き筋」(洗剤液が垂れた跡)が残りにくくなるように、吹き付けた液が垂れにくくなるようになっています。吹き付けた後にすぐ拭き取れば、拭き筋はほとんど残りません。
本体(スプレー)は液の出方を調整できる設計となっているので、拭く場所に合わせて使い合わせられます。
ジョンソンの家庭用洗剤「スクラビングバブル」のガラスクリーナーで、液性は弱アルカリ製です。
こちらも「拭き筋」対策として液が垂れにくくなっています。サッと拭けばキレイに掃除ができます。
イチネンケミカルズのケミカル(化学合成製剤)ブランド「クリンビュー」ブランドのガラス用洗剤です。先述の2製品とは異なりアルコール製剤になっていることが特徴です。
ガラスや鏡の掃除に特化しており、アルコール製剤であることから「拭き筋」が生じにくくなっています。油膜、手あかやヤニ落としも得意です。アルコール製剤であることから、除菌性も確保していることが魅力です。自動車の窓拭きにもおすすめです。
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