停電時に足元が暗いまま歩き回ると、尖ったものを踏みつけたり階段を踏み外したりして、けがをしてしまうかもしれません。停電時でも安全に移動できるよう、「懐中電灯」を用意しておきましょう。
一口に懐中電灯といっても、明るさや照射範囲、機能は製品によって大きく異なります。ここで紹介する懐中電灯の選び方とおすすめの製品を参考に、扱いやすいモデルを探してみましょう。
ルーメンとは、光の量を表す数値のこと。ルーメンの数値が大きいほど、明かりは強くなり照射範囲も広くなります。
例えば、手元や足元など近くを照らす場合は、50〜100ルーメン程度あれば十分でしょう。夜間に外を移動するときなど遠くを照らす必要がある場合は、150〜200ルーメン程度の明るさがあれば問題ないでしょう。
また、「調光機能」や「ズーム機能」を搭載していれば、光量や照射範囲を調整できます。調光機能とは、段階的に光の強さを切り替えられる機能のことです。
ズーム機能には、範囲は狭いが遠くまで光が届くスポットと、広い範囲で近くのものを照らすワイドの2種類があり、状況に応じて使い分けることができます。
懐中電灯の給電方式は、大きく「乾電池式」と「充電式」の2つに分けられます。乾電池式の場合は、替えの電池さえ持っていれば、万が一のときにすぐ使用できます。ただし、懐中電灯の中に長期間電池を放置しておくと液漏れの危険があるので、たまに電池を交換するか、本体から電池を抜いておきましょう。
一方、充電式は電池交換のコストがかからない点が特徴の一つで、同じ充電式の中にもUSBタイプや、ソーラーパネルタイプ、手回しタイプなどさまざまな種類が存在します。中でも、手回しタイプは明かりが必要なときに自力で給電できるため、電源を確保しづらい災害時や停電時に役立ちます。
また、災害時はライフラインの復旧まで時間がかかることもあるため、連続点灯時間が長いモデルを選ぶようにしましょう。
雨の中を移動する可能性も考慮して、懐中電灯の防水性もチェックしておきましょう。防水性を確認する際は「IPX6」などの表示に注目してください。この数字が大きいほど、防水性も上がります。
IPX6なら、雨の中でも問題なく使えるでしょう。中には、それ以上のIPX7やIPX8の防水性を備えた製品もあります。IPX7なら一時的な水没に耐えることができ、最も高いランクのIPX8なら水深2メートル程度で継続的に水没した状態でも使用できます。
ラジオ機能が付属している場合もあります。これなら明かりの確保だけでなく、被害状況やライフライン復旧の見通し、避難に関する情報など、さまざまな情報を取得できます。別途ラジオを用意する必要がなくなるため、避難時の荷物を減らすことにもつながります。
OLIGHTの「M2R PRO Warrior」は、最大1800ルーメンを実現した懐中電灯です。非常に強い光なので遠くまで照らすことができ、最大照射距離は300メートル。
状況に応じて、明るさを調整することも可能です。最も明るいモードから最も暗いモードまで7段階に切り替えられます。
使用可能時間も長く、最も暗い明るさなら最大50日間、ある程度の距離を照らせるモードでも最大10時間使用できます。また、防水規格は最高レベルのIPX8なので、雨の中でも安心して使えます。
充電式のモデルで、専用の充電器が付属します。販売価格は1万2295円(税込、以下同)です。
LUMINTOPの「IYP365 ペンライト」は、コンパクトサイズの懐中電灯です。ボールペンくらいのサイズで重さも23グラムと軽量なので、ポケットに入れて持ち運べます。
明るさは145/25/1.5ルーメンと3段階で調整が可能。連続点灯時間も明るさに合わせて、約35分/約25時間/約50時間となっています。
付属のシリコン製蓄光ディフューザーをライトの部分に取り付けると、柔らかい明かりになるので、手元を照らすときに便利です。IPX8という高い防水性能を備えており、悪天候でも問題なく使えます。販売価格は1900円前後です。
パナソニックの「電池がどれでもライト」は、4タイプの電池に対応した懐中電灯です。単1〜単4形のどの電池を入れても使用でき、電池1本でも明かりが点くという優れもの。
仮に単1〜単4形の乾電池エボルタを全て装填した場合、最大点灯時間は約85時間30分となります。明るさは約14ルーメンと控えめなので、遠くを照らすよりも足元など自分の周辺を照らすのに向いています。
比較的淡い光なので、床に立ててランタンとして使用することも可能です。販売価格は1250円前後です。
サンワダイレクトの「人感センサー付きLEDライト」は、夜間灯と懐中電灯の2つの用途で使えるモデル。本体を充電ホルダーにセットしてからコンセントに挿しておけば、人の動きに反応して自動的にフロントライトが点灯し、夜間灯として機能します。
充電ホルダーから本体を取り外せば、ヘッドライトが点灯し懐中電灯として使用できます。停電時には自動的に点灯してくれるので、懐中電灯を探し回らなくてもすぐに明かりを確保できます。
明るさはヘッドライトが約65ルーメン、フロントライトが約30ルーメンで、連続使用時間はヘッドライトが約1.6時間、フロントライトが約3時間となっています。販売価格は2980円です。
Defend Futureの「ダイナモLEDラジオライト」は、手回し充電、乾電池、USB充電に対応したモデル。複数の方法で充電することが可能なので、停電が発生してもこれなら安心です。
ケーブルでつなげば、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、携帯電話の充電も行えます。ラジオ機能を搭載しており、FMとAMの両方を聞くことができます。非常時の情報収集に役立ちます。
ライトの連続点灯時間は約39時間です。また、緊急時に便利なサイレン機能も付いており、赤色ライトの点滅と大音量のサイレンで助けを求めることができます。販売価格は4680円です。
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